幕間 バレンタインデー
話の順番が変えられなかったので1度削除して再投稿したものです。
【神の図書館】でカカオを検索する。
カカオ豆からチョコレートにする方法を色々と読んでいく。
あと1週間ほどで2月14日になる。
前世ではバレンタインと呼ばれる日だ。
この世界には、そんな風習は無いけれど日頃の感謝を込めて、女神様にチョコのお菓子を送りたいと思ったの。
好きな人がいるわけでもないし、父親にあげるわけでもない。
もし、前世で父親にチョコを渡していたら、たぶん怒ったような顔でゴミ箱に捨てたのではないかと思う。
仲の良い人同士で渡す友チョコにも縁が無かったし、就職してからも縁が無かった。
つまり、今回は私の人生初のバレンタインデーイベントというわけだ。
無限収納の中にカカオ豆は入っているのだけど、育てる為の種として入っているだけなので、このままだとチョコレートは作れないようだ。
実から出した時に、カカオ豆の周りについたままの果肉も発酵させるのに必要らしい。
木箱やバナナの皮で覆って高温多湿の状態で1週間程放置すると微生物により発酵するそうだ。
この庭って微生物っているのかな?
森で拾った枯葉や土になら微生物いるかな?
収穫してから試してみれば良い事だし、取り敢えずはカカオ豆を植えて魔力と水をあげた。
初めは魔力と水だけで実までできていると思っていたけど、花が咲くタイミングがきたらツリーマンが素早く受粉させているらしい。
1度だけその光景を見たのよね。
凄い早業だったわ。
ん?
だったら最初の時はどうだったのかな?
確か、作物が育った後にツリーマンを作ったはずだけど......。
女神様が手伝ってくれたのかな?
明日の朝には実が収穫できるはずだから、書いてあるとおりにして時間経過させ、発酵できたら乾燥。
これでやっと基礎が終わり。
ここからの工程も多いな。
チョコレートになるまで、こんなに手間がかかるって知らなかったわ。
取り敢えず頑張る!
で、できた。
魔法を使って工程を短縮しても大変だった。
全ての工程を経験したので、次からは錬成だけでできると思うけど、本当に大変。
前世では殆ど口に出来なかった物だけど、色々な人に感謝だわ。
さてと、何を作ろうかな。
【神の図書館】には色々なチョコ菓子の作り方がある。
定番のトリュフに型抜きのチョコレート。
チョコケーキにチョコクッキー。
えーい、迷うなら全部作っちゃえ!
全部出来たら凄い数と量。
女神様も無限収納があるだろうし、問題無い……よね?
感謝のお祈りをして、全種類をプレゼント。
楽しんでもらえたら良いな。
今回はカカオティーというのも作って一緒にプレゼント。
気に入らなかったら困るので、量は少なめにしておいた。
喜んでもらえたら良いな。
「「これは凄いね」」
私の旦那様のオーディンと息子のバルドルが驚きの声をあげた。
用意した長テーブルの上にはチョコレートを使ったお菓子だらけ。
周囲には甘い匂いが漂っている。
「2月14日は地球ではバレンタインデーなので日頃の感謝を込めてですって」
色々あって目移りするけど、女神の私は太ることは無いので気にせずに堪能できる。
最近は食べるということが、どんどん楽しくなってきた。
柱の影からチラチラとこちらを見る女神の視線を複数感じる。
時の女神達である、ウルズ、ヴェルザンディ、スクルドの三姉妹だ。
彼女達は大柄なので、全く柱の影に隠れられていない。
リィーンを生き返らせるのに能力を貸してもらったし、無下にするのもね。
仕方が無く、3人に手招きすると、満面の笑みで近づいてきた。
「数に限りがあるので気に入ったからと言って、同じ物を食べないように!それが守れるのならば参加を認めます」
3人は目をキラキラさせて何度も頷く。
長く生きている女神も時には幼子のようになるのね。
バルドルが苦笑しつつ、3人に茶を入れる。
リィーンがくれたカカオティーだ。
他の紅茶や緑茶等も一緒に入っていた。
それもキチンと飲み頃に抽出されたものを品質保持を施した容器に入れた状態でくれた。
以前に感想を書いて容器を戻しておいたら、容器を戻す度に中身を補充して送ってくれるようになった。
ふふふ、良い孫だわ。
自分も食べつつ、皆の顔を見る。
皆、綻んだ顔だ。
「3月14日はバレンタインのお返しをする日らしいから、何かお返しを考えておいてね。個人でも連名でもかまわないから」
夫と息子は頷き、三姉妹は元気良く返事をした。
お返しは何をしようかな?
便利なキッチングッズとかミシンとかあげたら喜んでもらえるかな?
あの世界に無いものだけど、あの子だけが使う分には問題無いわよね。
内緒で取り分けておいた分を地球の神に渡してお願いしてみようかな。
思い付きで書いたので楽しんでもらえたのか心配。
次の話では海へ魚を仕入れに行こうと思います。




