森へ行こう!①
更新が遅くなってすみません。
今回は短めです。
森の湖の周辺に人がいないことを確認してから転移すると、誰も近づいて来ないように結界を張った。
5才の子供が1人で森にいるところを誰かに見られたら、間違いなく質問攻めにあうだろう。
そんなのは煩わしい。
この場所は森の中の道から離れているので通行の妨げにはならないだろう。
ただ、湖に行こうとしている人の妨げにはなるだろうけど。
因みに森を縦断している道は馬車が通りやすいように舗装され、道幅も広く取っていた。
人の生活圏であれば珍しくない事であるが、森の道まで舗装しているのは珍しいと思う。
だって、自然の中にある道は街にある道よりも劣化が早い。
それにこの道を通るのは専ら商人の馬車で、商品を積んでいる為、かなりの重量があるはずだ。
車と違って馬車の車輪はゴムじゃないし、轍部分にかかる負荷は大きいだろう。
だが、だからこその舗装なのかもしれない。
商人が頻繁に訪れてくれれば領内以外の物も手に入るし、領内の物を売買することできる。
巡り巡って領地の繁栄に繋がるだろう。
大きな木の傍にスライムの粉で作ったビニールシートを広げた。
秋らしく暗めのオレンジ色にしたものだ。
湖を囲むように立ち並ぶ木々は赤や黄に色づいている。
前世でお馴染みのカエデと桜が多いように思う。
春に来ればお花見も楽しめそうだ。
昔誰かが、そうできるように木を植えたのかもしれない。
その人は、もしかしたら中身が日本人だったかもしれない。
しばらく紅葉を見つめ、無限収納から重箱を出した。
1人では食べきれない量が入るが、気分を味わう為に3段全てに食べ物を詰めた。
残っても、また無限収納に入れておけば良い。
1段目はおにぎり。
カリカリ梅を混ぜ込んだもの、塩おむすび、乾燥させた魚を軽く炙ってから砕き、混ぜ込んだものが入っている。
2段目は唐揚げや卵焼きにソーセージ。
海老フライとかも入れたかったけど、まだ海の幸を手に入れていないので次の機会には詰めたい。
代わりにハンバーグとトンカツを入れた。
3段目にはデザートとしてスウィートポテトと一口大に切った果物を入れた。
少しづつ取り皿にとって食べ始めた。
時々景色を眺める。
湖をぐるりと一周してから森を散策しようかな。
じっとしていると寒くなってきたので、食後に暖かい緑茶を飲んだ。
長袖とはいえ、ワンピースだけではそろそろ寒い。
ロディの毛を糸にしてマフラーと手袋を作ろうかな?
少し大きめにモコっとしたセーターを編んで着れば、ロディとお揃いの感じになるかな。
うふふふ。
想像してみたら、雌鳥達がヤキモチを焼く姿が思い浮かぶ。
幸せだなと思う。
あんなにも欲しかった家族愛が無くても、誰かから与えて欲しかった愛が無くても。
人では無いけれど、雌鳥達やロディが私を慕ってくれるだけで嬉しくて楽しい。
でもそれは衣食住の心配が無いから言えるのかもしれない。
女神様に色々と能力をもらわなければ、収入を得るために人との付き合いに心を疲弊させいたかもしれない。
それ以前に、この年齢だ。
保護者がいないのだから孤児院に入れられたに違いない。
中身が子供ではない自分は、大勢の子供の中に馴染めなかっただろう。
大人びた私を見て、大人がどんな評価をするのか。
奇異な目で見られるか、しっかりしているからと色々と仕事を押し付けられるのか。
施設の大人に受け入れられて可愛がられたとしても、他の子供達の嫉妬の的になる可能性もある。
大人の社会の裏も子供の社会の裏も……家族の裏も前世で経験した。
あの街で会った人達は、皆いい人だと思う。
気を許しても良さそうだとも思う。
でも……。
いや、まだ会ったばかりで深い付き合いでもない。
自分のペースでゆっくり行けば良い事だ。
万が一の時は引きこもればいいのだし。
「さて、湖の周りを散歩しますか」
2、3日ぐらいで②を載せる予定です。
年末に向けて忙しくなるので滞りがちになりそうです。




