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最近、変換した文字の意味が合っているのか否かに悩みます。

漢字変換が正解なのか、ひらがなのままが正解なのか。

意味によって色々なので書くって難しいですね。

数字も漢字であるべきか、数字であるべきか悩みます。


「今日のお供えは、たくさんあるわね」


リィーンのお供えは思いつきで作るものが多いから、取り合わせが変なこともあればバランスの良いこともある。

子供らしくて面白いから、特に何も言うことは無い。

そもそも神々は、何かを食べなくても問題が無い。

趣味趣向で摂取する者がいるというだけだ。

空腹感が無ければ、満腹感も無い。

いくらでも食べられるし、太る心配も無い。

だから、いつも楽しみにしている。

今回は色々な種類のお菓子だ。

その上、私の瞳と同じ色のシュシュと2種類の色の布で作った薔薇の髪ゴムが添えられていた。

私は髪を左側で1つに纏め、2種類の髪ゴムを付けた後、2つの間にシュシュを付けてゴムが見えないようにした。

「似合っているかしら?」

私は嬉しくて何度も鏡を覗いた。


私の名前はフリッグ。

豊穣の女神をやっている。

リィーンは私の孫にあたる。

私には息子が1人いるが、他にもう1人神界から抹殺された息子がいた。

息子は自由奔放で問題ばかり起こしていた。

特に女性関係にだらしが無かった。

私の夫で息子の父親である主神オーディンは罰として人間界にその身を落とした。

それでも反省することも無く、やりたい放題で女性を口説いては肉体関係を持つということを繰り返していた。

その内、相思相愛の恋人や婚約者のいる女性に手を出し、関係を壊していくという悪趣味なことをするようになった。

自分に靡いた女性とは関係を持った後に、手酷く捨てた。

靡かなかった女性とは無理やりに関係を持った。

それも女性が愛する人の前で……。

夫は激昂し、息子の存在を魂さえも無かったことにしてしまった。

私も息子の所業に呆れ果て涙も出なかったので咎めることはしなかった。


夫は被害にあった人と、その周りの人の記憶を改ざんすることで人々の記憶から息子を消した。

息子が初めてだった女性は、息子と関係を持つ前の体に戻した。

相思相愛だった者達には幸せに添い遂げられるように愛の女神に祝福を送ってもらった。

そうして上手く修正されていく中で、ただ1つ修正できない事があった。


神々は長寿の為か子供が出来にくい。

息子も数百人もの女性と関係を持ったが誰も身ごもることは無かった。

だが、1人だけ息子の子供を身ごもった女性がいた。

その体に宿る小さな無垢な命を無かったことにするのか否か。

私達は考えあぐねている内にお腹は大きくなっていった。

その状態でも女性の体の時間を戻せば、息子と関係を持つ前に戻すことはできた。

だけど、見守っていた私達の心には愛着が生まれていた。


対して、女性の方は自分が妊娠していることに全く気がついていなかった。

彼女は家族から冷遇されていて愛を知らなかった。

一族の色を持って産まれなかった。

ただ、それだけの理由で彼女は愛されなかった。


ルーベンス伯爵家。

古い歴史のある由緒のある貴族の家柄。

一族の血を引く者は皆、金色の髪に蒼玉(サファイア)色の瞳を必ず持って生まれるとされている。

表向きは……。

実際は生まれてくる確率が高いだけで、それ以外の色を持って生まれてくる子供がいる。

ルーベンスの色を持って生まれなかった子供は外からは見えないように高い壁で囲まれた離れに隔離されるか、厳重な管理の元で使用人として働かせられていた。

場合によっては道具、若しくは駒として使う為だ。

当然、結婚することも子供を産むことも自由にはできない。


彼女が物心がつく頃には使用人として働かされていた。

ルーベンスの血統であることは教えられなかった。

母親は昔、ルーベンス家に雇われていた使用人だと教えられていた。

どこの誰ともしれない男と関係を持ち、子供を産んだ後、子供を残したまま失踪したのだと教えられた。

母親の分もしっかり働いて、育ててもらった恩を返せと言い聞かされた。

使用人からも冷遇されて毎日辛い仕事をさせられていた。

その上、敷地内から出ることも許されず、外の世界を全く知らなかった。

教育を受けていないので文字の読み書きもできないし、簡単な計算をすることもできなかった。

そして、気まぐれに屋敷に忍び込んだ息子と出会った。

女性には閨の知識は全く無く、言われるがままに息子を受け入れた。

そうすることで子供ができるかもしれないということさえ知らない無垢な女性だった。

子供ができたらどんな症状になるかを知らないので、悪阻や貧血になっても体調を崩しただけとしか思わなかったし、周りは息子と関係があることも知らないので、妊娠を疑うことも無かった。

彼女の様子を気にする者も彼女の姿形を気にする者もいなかった為、腹が大きくなっていることに気がついた人間はいなかった。

栄養不足のせいか、あまり腹が大きくならなかったというのも要因かもしれない。

ある日、突然腹痛に襲われ、何の準備も無いまま部屋で出産した。

その後、仕事をサボっているのを咎めようと入ってきた使用人が発見し、当主に報告された。


生まれた子供は小さくて平均の半分ほどの大きさしか無かったが命の別状はなかった。

そして、皮肉な事にルーベンスの色を受け継いでいた。

いつか利用することを考えて彼女の父親は、母子に使用人を1人つけて離れに住まわせた。

無知な彼女には出産したという認識は無かった。

物凄くお腹が痛くなって気がついたら寝ていて、起きたら痛みが引いてお腹が小さくなっていた。

その程度の認識だった。

そして、誰かの子供の世話係になったんだと。


彼女は4年後に亡くなり、子供は本宅の方に引き取られ家族や使用人に虐げられた。

そして、母親の兄の長男と長女に階段から突き落とされた。

2人はリィーンが従兄弟だとは知らなかった。

気が強くプライドも高かった2人は使用人の子供が自分達と同じ色を持っていることが気に入らなかった。

ただ、それだけの理由だった。

罪悪感など微塵も無かった。


私はリィーンの魂を夫に頼んで別の世界に生まれ変わらせてもらった。

今度こそ親や家族の愛情を受けて幸せな人生を送ってほしかったから。

でも、そこでも親の愛情も家族の愛情も、誰の愛情も得ることも無く事故で亡くなってしまった。

私はもう一度、夫に生まれ変わりをお願いした。

夫も不憫に思ったのか了承してくれた。

ただ、今回は記憶を消さなかった。

知り得た事を利用して自由に好きに生きてもらう為だ。

今回は厳密には生まれ変わりではなく、元の体を生き返らせて魂を戻した。

異世界とこちらでは時間の流れが違うので、誤差は5年ほどだ。

今でもリィーンを殺した人間は生きている。


生き返ったリィーンの最初の記憶は5年前の最初の死の直前の記憶を少し変えたものだ。

実際は投げ入れられた直後に目覚めたのではなく、生き返った直後に目が覚めたのだ。

階段を落ちた直後は瀕死だったが息があった。

普通であれば大騒ぎになり、医者を呼んで治療するか誰かが手当をしようとするものであるが、生死を確認されることも無く、使用人に無造作に掴みあげられ、ゴミでも捨てるように離れに投げ入れられたのだ。

床に打ち付けられた体は、もう痛みを感じることは無かった。

生活にも生きる事にも疲弊していた彼女にとって、迫り来る死は喜びだった。

その最後の顔は皮肉なことに安堵の笑みが浮かんでいた。


この世界で新たに生き直すリィーンには、ルーベンス家の色は不要だった。

だから、生き返らせる時に髪と瞳の色を変えておいた。

髪は綺麗な銀色、瞳は琥珀色にした。

琥珀の宝石言葉は『抱擁』『大きな愛』『金運』『長寿』『潜在能力の開花』等の意味がある。

あの子の未来が明るくなると良いのだけど。


離れの空間を切り離して、誰も近づけないようにした。

リィーンが結界を張っても張らなくても誰も入って来られない状態だのだ。

だが、誰も来ないことを不審に思わないようにと、もしかして誰かが来るかもという恐怖心を払拭するために、やるように促したのだ。

ルーベンス家の記憶も改ざんして、離れは数年前に老朽化の為に取り壊したことになっていた。

離れのあった場所は更地になっている。

長男と長女の罪を帳消しにするようで腹立たしいが、ルーベンス家にかかわる全ての人間の記憶からリィーンのことを消した。

万が一にもトラブルの種にならないように……。


今度こそ幸せになってほしいと、1日に何回も様子を眺めていた。

その内、お供えも楽しみになってきた。

元々はリィーンとの繋がりが欲しくて、咄嗟に思いついた理由だったけど。

同じ物を食べることで、離れていても私の事を家族のように思ってくれているのも知っている。

それがとても嬉しい。

神のハーフとして持って生まれた能力は高かったが、1度目の死が訪れるまでに覚醒することは無かった。

だけど今は、私が加護を与えたせいか、それも覚醒した。

2回の不幸な人生を思い不安になり、つい色々と過剰なほどの能力を与えたり、調理器具や知識を与えたりしている私を、夫も息子も呆れて見ていたが、その内一緒になって見守り加護を与えていた。

リィーンは最初の1回以外、自分のステータスを確認していないけど、たぶん物凄いことになっているだろうから見たら吃驚するだろうな。

他人からステータスを見られても大丈夫なように隠匿もしてしてある。


夫や息子もリィーンを大切に思ってくれていることは嬉しいが、私のお供えを半分奪うのは勘弁してもらいたい。

たまらずリィーンにお供えの量を増やして欲しいとお願いした。

何となくの量だったようだけど、3人分届いたことには驚いた。

案外、潜在能力で感知したのかもしれないと、親馬鹿的な事を思う今日この頃だ。


今回のお菓子も2人が来たら一緒に食べよう。

そして、貰ったシュシュと髪ゴムを自慢しなくては!

あと、できれば飲み物も一緒に送って欲しいわね。

人間達が供える飲み物って、何でお酒しか無いのかしら?

紅茶とかジュースでも良いじゃない!

何なら茶葉でも良いし。


今までは時々気まぐれに人間達のお供えを貰っていたけど、今度からはリィーンにあげてもいいわね。

今までリィーンにあげた物の多くは地球の神に分けてもらった物だ。

使い慣れた物の方が良いと思ったから。

これからはこの世界にある物も好きになってほしい。


今度こそ、リィーンが幸せになりますように。

同じ意味でも色々な言い方があるので、どれが最適か悩みます。

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