ワンピースを作ろう!
うーん、お腹がいっぱい。
卵が嬉しくて朝食に目玉焼きと茹で卵を作った。
トーストにバターをたっぷり塗って薄く切ったハムをのせて目玉焼きをのせる。
それにバクりと齧り付く。
普通に考えたら贅沢では無いけれど、私からしたら物凄く贅沢。
それを食べ終えたら茹で卵をフォークで潰して、マヨネーズを加えて混ぜ合わせたものを薄く切ったパンに挟んで齧り付く。
うう、幸せ!
テンションが上がったまま食べきったけど、半分ずつにすれば良かったと食べた後に気がついた。
お腹が苦しい。
……次はハムサンドを食べたいな。
ゆっくりと動くのも辛いけど、雌鳥達と子羊の様子を見に行くことにした。
庭に出てみるとロディの背中にエリとマーシィがとまって、寛いでいた。
ロディはそれを気にすることなく、のんびりと歩いていた。
仲良くしているようで何よりだ。
アイ、ルミ、ローラは寝床の掃除をしているゴーレムと水を用意しているツリーマンをテラスのテーブルの上から眺めていた。
「おはよう」
声をかけると3羽はテーブルから降りて私の足元をスリスリ。
エリとマーシィとロディも私に気がついて傍らまでやってきた。
「おはよう」
ロディ達にも声をかけた。
「よく眠れた?」
「「「「「コケ」」」」」
「メー」
うふふ。良いお返事。
5羽と1頭の可愛らしい様に嬉しくなって順番に頭を撫でる。
暫く皆と、まったりと日向ぼっこ。
静かだな。
両親の罵倒も聞こえない。
妹の癇癪も聞こえない。
同僚の陰口も嫌味も聞こえない。
上司の理不尽な叱責も聞こえない。
誰かが何かがたてる音も無い。
誰かに愛されたい、好かれたいと無理して頑張った前世の私。
今世はどうなるか分からないけど、こんな風にのんびりとした生活が続けば良いな。
無理をせず自分のペースで。
皆とのスキンシップの後はワンピースを作る事にした。
作業台にできそうな机はあったかな?
各部屋にあった家具を思い出しつつ考える。
布を裁断するから大きい方が便利よね。
思い浮かんだのは食堂のテーブル。
この家に食堂は2つ。
大きめの造りの良い長いテーブルのある部屋。
小さい4人かけのシンプルなテーブルのある部屋。
使用人用の場所なのだろう。
テーブルには、すでに幾つか傷があるのでハサミを使っている時に傷がついても気にならなそうなので、そこで作業することにした。
修復を使えば元通りにできるけど、気持ちの問題だよね。
因みにいつも台所で食べるので食堂を使ったことが無い。
1人だし、態々移動するのも面倒だし。
それに前世は作ったら、さっさと使った物を片付けて自分の部屋に戻って食べないと家族に嫌なことを言われるのが常だったから、作ったその場で暖かい内に食べる方が私にとっては贅沢なことなのよね。
テーブルの上に青い布を広げる。
【神の図書館】でワンピースの作り方を検索。
好みの形を探して型紙を確認。
家事スキルのお陰か、本に付いている型紙を充てて切らなくても大きさを理解出来た。
型紙を印刷出来る訳では無いので、どちらにしても使えないのだけどね。
自分を鑑定して体の寸法を確認し、頭の中で修正して布に描いていく。
デザインは幼児にありがちなストーンとしたワンピースではなく、腰から上下に分けてスカート部分にギャザーを多くつけて動く度に裾がヒラヒラとする感じの物にした。
こういう可愛い服は買って貰えなかったから憧れがあるのよね。
これはお出かけ用の予定。
家用は買った古着を修復してリメイクして着る予定だけど、そういえば上のシャツは買っていないから簡単な物を作るかな。
誰も見る人はいないし、スモックみたいな簡単な物で良いかな。
「あ!」
私は大事なことを失念していることに気がついた。
「下着を買ってない!」
昨日買った布は伸縮性のない物だから、下着を作るのには適していない。
「次に行った時に下着屋で買うか伸縮性の布とゴムを買おう」
気持ちを切り替えてハサミで布を切っていく。
しつけして、縫ってと……。
家事スキルのお陰なのか小さな子供の手でもスイスイ縫えた……。
ワンピースは、あっという間に出来上がった。
今度はそれに刺繍の図案を全体に描く。
描き間違えても魔法で消せるので安心!
あとは刺繍をしていくだけ。
因みに図案はオリーブの葉と実。
オリーブの花言葉は『平和』と『知恵』
【異世界マニュアル】や【神の図書館】を使って平和で楽しく穏やかな生活を送りたい私にはピッタリな言葉だと思う。
靴はワンピースと同じような色に染めてからオリーブの刺繍をした。
うん、なかなか可愛く出来た。
余った布で肩掛けの鞄を作った。
昨日持って行った鞄は大人用だったので大きくて不便だったのよね。
鞄にも同じようにオリーブを刺繍した。
!
魔法鞄にできないかな?
【異世界マニュアル】をさらっと読んだだけだったけど、確か時魔法で空間を歪めて瞬間移動や時空間を作ることができるって書いてあった気がする。
念の為【異世界マニュアル】を出して確認する。
うん、確かに書いてある。
私の魔法は強いイメージが基本なのだから、鞄に空間魔法を付与することができるはず。
まあ、無限収納を誤魔化す為のアイテムだから、できなくても問題無いのだけどね。
と軽い気持ちで試してみれば……できちゃった。
出来上がった物を試しに身につけてみた。
うんうん、良い感じ。
破れたり汚れたりしないように自分の体にかけるように身体強化のスキルをそれらに使ってみた。
ついでに魔法耐性、物理耐性のスキルも使ってみた。
理論的にはこれで破損することの無い物ができあがったはずだ。
鑑定してみると
【神の力以外では絶対に汚れない、濡れない、燃えない、壊れない】と書いてあった。
人には絶対に知られたら困るアイテムが完成したようだ。
やらかしたと冷や汗が出る。
まあ、私より上の鑑定スキルではない限りはバレないでしょう……たぶん……。
あとはシュシュを作ろうかな?
正直、髪の毛が邪魔なのだけど、美容院や床屋みたいな場所があるのかな?
鏡があれば前髪ぐらい、自分で切ることができるのだけど。
そうか、鏡を買っておけば良かったな。
家の中には無かったけれど、鏡ぐらい存在しているわよね?
あっても、真逆銅鏡みたいな物なんてことはないわよね?
前世だと雑貨屋にあったけど、この世界だとどこになるのかしら?
マップで見ても品揃えが多いと単体の商品までは分からないのよね。
街に行ったら聞いてみよう。
髪を切る場所はマップを見る限り無いから、皆がどうしているのか聞いてみよう。
シュシュにする為に白色の布と青色の布を幾つか切った。
白色の布は緑色に染めた。
青色だけの物、緑色だけの物、青色と緑色との半々にした物と3種類作ることにした。
買ってきたリボンを縫い付けてからシュシュの形にしていきゴムを入れた。
髪に付けても可愛いし、手首や腕に付けても可愛い。
髪を後ろに束ねて青色のシュシュを付け、残りを両手首に付けた。
ついでに端切れで作った小さな花をパチッンピンに付けて緩く前髪を留めた。
少し視界が良くなった。
たぶん、少し目が見えている状態だと思う。
全身が映る鏡が欲しいな。
何故だか知らないけど、この家の窓って、映り込みが無い。
普通なら部屋の中や人が映り込む。
特に夜はハッキリと映り込むのに、それが無い。
窓が無いかのように外が見えるだけだ。
とりあえず、満足したので元の服に着替えた。
簡単シャツを手早く作った後は古着屋で買った服の修復とリメイクだ。
何も考えていなかったので、まずは魔法で修復する。
ズボンは家で履くだけだから、このままで良いかな。
上着は可愛いボタンと取り替えただけにして、何か思いついたら変えることにした。
使った物を片付けてから夕食の準備を始めた。
熱中しすぎて昼食を食べるのを忘れていたよ。
鶏肉を買ったし、唐揚げにしようかな。
フライドポテトにオニオンリングにサラダって感じかな。
それにしても家事スキルは凄いね。
あれだけの縫い仕事が夕方までには終わるのだもの。
明日からはお菓子を色々と作ろうかな。
そういえば、今日は産んでいなかったけど、明日は卵があるかな?
買った分がまだあるから大丈夫だけど、環境に慣れないと産まないのかな?
明日、健康状態を見る為にも皆を鑑定することにした。




