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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、どんな者にでも手を差し伸べる優しいものだ
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第4章 森と騎士

「……さぁ、やっと砂漠をぬけた!今の我々の力でも十分にこの大陸で通じる!行こう!この森へ」


 砂漠をぬけたその先は霧のかかった森……こんなにジメジメとしているのに少し後ろへもどれは水ひとつない砂漠……どうなっているんだか。


 我々は更に進み、森の奥で1人の『騎士』と出会った。


 全身を鎧でまとい、とてつもない大剣を持った男だ。


「……騎士……?」


「……貴様らは、何者だ?」


 そう、騎士が甲冑の向こうで『言った』


「喋った……!?我々はこの大陸を調査に来たものだ……あなたは?」


「我に名などない……」


「『方舟の騎士(アークナイト)』」


 そうミストさんが呼んだ、悪くない、方舟の騎士か。


 きっと彼の大剣を方舟と見立てたのだろう。

甲冑も美しい白や金、青の装飾が剣にも施されているいい剣だ。


「好きに呼べ……汝らにひとつ教えてやろう!この森をぬけたくば我を殺せ!そして、我はこの森を出るために、貴様らを殺す!」


 どういう事だ?


「どういう事だ!?」


「この森にいちど足を踏み入れたが最後!命を賭して決闘を行い、そして、勝者のみがこの森を抜けることを許される!」


 つまり、私たちは知らず知らずの内に閉じ込められていたのか……


「我は昔、この森へ足を踏み入れ、出口を失った貴様らを全員殺し、我はもう一度外へ行く……悪く思うな」


 両手剣をかまえ、我々へ本物の殺気を叩きつける。


 見たことの無いほど、練り上げられた彼の『技』を体現している、オーラ?があった。


「ゆくぞ!貴様ら!」


 やるしかない、それは我々もわかっていた。


 1人にかける人数ではないが……それでも、やるしかない。


「俺達もみすみすとやられるかよ!」


 あの大剣を凪いだかと思えば、急停止、そして、縦に叩ききったりと、彼の剣はどこか直剣の様な軽やかさがあった……どんな筋力、どんなに生への執着があれば強くなれるのだろう?


 我々もまるで虫を払うように何人も切り飛ばされた。


 あのサイズの大剣ではまずありえないフェイントの数々、彼自身の戦闘能力の高さ、そして、意志の強さ。


 何人もが交代しながら戦い続けても、彼はまだ立ち続けている。

こちらもかなりスタミナを消費した後、アーサーが彼を討ち取った。


「……強かった」


「貴様らこそ、強かったな」


 そして、彼はガクリと首を落とし、その命が絶えた。


 もう、我々の人数はギリギリ3桁を保っている程度だ。


この大陸はあまりにも恐ろしい。

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