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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、どんな者にでも手を差し伸べる優しいものだ
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次のステップ

「……へぇ……こんな所なんだ……外」


「森の外に来たって言うのに反応薄いね」


「……そう?驚いてるわよ?」


「ん?ならいいけど……とりあえず、次は30層を目指そう」


「ん、そうね、頑張りましょう」


 今の俺は剣しか持ってない一般的な剣士だ。


「……アリーさん、今って迷宮どこまで進まれてますかね?」


「今は……38層まで行かれてますね」


「さ、38!?なんでそんな急に早くなってるんですか!?」


「それが、30層以降、こちらから刺激しなければ敵意を向き出さない様なモンスターばかりなんですよ

1層と入れ替えた方がいいぐらいには平和です」


「……えぇ?本当ですか?ソレ」


「本当らしいよ、一応最前線の攻略隊は国に雇われて仕事してるからね、それで今、ダンジョン各層にあるあの、タッチする奴……名前なんだっけ?〈記録石〉?をはめてるんだってさ」


「あぁ、あれですか……助かってますよ、アレには」


「だろうね~国が頑張って作った魔法具だからね」


「いいこと聞きました……ありがとうございます」


「はい、どういたしまして……今日もダンジョンですか?」


「?えぇ、まぁ」


「……今日は剣しか持ってないんですね」


 腰の方に目を向けて、そういった。


「ん?あ、そうですね、今日はこの1本に命を託しますよ、この子には何度も助けられて、頼りに来てますから」


「へぇ?強い子なんですね、その剣……名前とかあるんですか?」


「名前ですか?」


『何かあるの?』


 シガネに問いかける。


「……紫鉄シガネ剣 1号」


『そ、それでいいの?』


「やっぱりやめた〈紫鉄の直剣(シガネロングソード)〉で」


 ウチの刀匠は自分の名前を入れたいらしい。


「〈紫鉄の直剣(シガネロングソード)〉って言います」


「へぇー?面白い名前ね」


「面白い……?」


 ピクっと反応したシガネに吹き出しそうになりながら、ギルドを離れ、迷宮へ足を踏み入れる。



「……気のせいかな?いつもよりも性能がいい気がする」


「そりゃあ私が近くにいるから、当たり前よ」


 精霊武具にそんなシステムがあるのは知らなかったな


「へぇ、そんな能力があるんだ」


「そうね、でも、ただただ切れ味と耐久が増すだけよ」


「そっか……そういえば30層の守護者ってもう見つかったのかな?」


「私も周りの人の話を聞いてたけどそんな話はなかった……かな?」


「なら、今度も第1発見者は俺になるかもね」


「……あんまり調子に乗らない」


「……うす……」


 こういう慎重な所は俺にはない、シガネがいてくれて助かるところだ。


 初めこそビビっていたが、今では良くも悪くも慣れている。


 なにより、2回連続で世界初の発見をしたのだ、それを『ビギナーズラック』と呼ぶべきか、基礎を飛ばしたが故にいつか痛い目を見るかもしれないとネガティブになるか……


「カルは、意外と激情家……だから、しっかり気を抑えてね?」


「……そうかな?」


「そう、きっと挑発されたら飛びかかるし、馬鹿にされたら殴り掛かる」


「……し、シガネから見た俺ってどんな奴なんだよ」


「炎?爆弾?それとも、カルっていう新しい物質?」


「ひ、人ですらないのか……」


 21層の記録石にアクセスして、21層へ足を踏み入れる。


「……っ!うわぁー!……綺麗……!!」


 広がる幻想的な世界に感嘆の声を漏らす。


「……そうね、凄く綺麗……カルこういうの好きよね」


「大好きさ!……ってあれ?太陽……?」


「!確かに……ここはまだダンジョンの中のはず?」


「間違いなく記録石はそこにあったよ……つまりこれは偽の太陽?」


「……でも、暖かいよ?」


「……?不思議だ」


 とりあえず、色々調べようか。

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