お別れ【カルカトス】
「……というわけで、無事に生きて帰ってこれたし、約束通り、今日限りで『カルカトスパーティー』は解散だ」
「……はいっ、今までありがとうございました!」
「……私も、助かった……ありがとうございました」
「拙者も、ありとあらゆることから、守護者というかなり稀なチャンスにも巡り会えた、感謝する」
「うん、3人とも本当にありがとうね、また、いつか協力することがあったら、その時は、ぜひ頼むよ」
簡素で、簡単な別れの挨拶をし、俺も森の方へ帰る。
「……って感じだったんだぜー!?すげぇだろ!?俺たち!」
森に帰り、クロンとの戦いや、俺が魔王軍の四天王になったことを話す。
「凄いねー!ライってそんなことも出来たんだ!」
「す、凄いね、ライくん!」
「……守護者を力技でねじ伏せたんだ……凄いね、僕には出来ないよ」
「……そんな凄いのと戦ってたんだ……凄い」
「守護者……ねー、知らないことってあるもんなんですね、シルフィールさん」
「そうですね、やはり我々も万能ではありませんからね
にしたって……まさか魔王軍の四天王になってるとは……飛んだ大出世だね」
「あはは……し、守護者のこと、師匠達でも、やっぱり知らないんですね」
「うん、そうだね、なんとも面目ない……」
「い、いえいえ!そんなことないですから!」
「……カル、次、私でしょ?」
「あぁ、シガネ、覚えてるさ」
「……そう、ならいいわ、今夜、少しお話する?」
「いいよ、シガネとゆっくりお話するのは久しぶりだね」
「……そうね」
「それで?話って?」
夜になって、みんなが寝静まった頃に、シガネと話を始める。
「前に、リョクに聞かれたの『どうしてシガネの精霊武具は消えないの?』って」
「うん、リョクはそれを特別だって言ってたよ」
「あれ、実は地面の砂鉄とかを使った『武器に宿らせるタイプ』の精霊武具なの」
「さ、砂鉄……あんな細々したものから作ってたの?」
「気が遠くなるような時間がかかったけど、性能は折り紙付きよ……でしょう?」
「まぁ、確かに刃こぼれ1つしてないからね」
「なら、良かったわ、私もライの話を聞いて思ったのよ『皆すごいなぁ』って」
「へぇー?シガネもそう言うのやっぱり思うんだ」
「私をなんだと思ってるのよ……まぁ、関心が薄い方だって自覚はあるけど……
じゃなくて、ライのあれって、槍の魔法を応用してたんでしょ?」
「ま、まぁ、そうだね」
「私にはそういうのないから、そこら辺は頭に入れて置いてね」
頼りにするな、そう言いたいのだろうか?
「わかった、頼りにしてるよ、シガネ」
それでも十分助かる。
「!……カルらしいわね……明日早いしもう寝よっか」
「そうだね、おやすみ、シガネ」
「ん、おやすみ」




