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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、絶望を切り捨てるものだ
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乗り越えろ

「……ライ、あれ何秒ならできる?」


「……気絶しないギリギリなら2秒」


「気絶するなら?」


「……2.5?」


「……乗った」


 なら、俺がするべきことは、0.1秒も無駄にしない完璧な動きを構築すること。


「先輩っ!独り言言ってどうしたんですかっ!?今はクロンを倒すことを優先しましょう!」


「……すまないね、俺も、やるとするか」


 前衛のフウボク、スノウと共にクロンの元へ直進する。


「……むっ!?すまぬ!カルカトス!拙者は置いて行け!」


「……了解だ」


 罠に足を取られている彼よりも、前へ進み、クロンを斬るんだ。


「……私……手伝います……ジャンプしてください」


「……あぁ、なるほどね」


 スノウと目を合わせ、お互いがやりたいことを伝え合う。


 跳び、足を彼女に向ける。


「……そういう……事ですっ!」


 足の裏へ響く衝撃、その瞬間に、クロンが目の前に現れる。


「来たなっ!」


「あぁ!クロン!来たさっ!」


 片手剣を抜く……が、近接戦が苦手なはずだ!




「……はぁっ!はぁっ!?」


「ははっ、攻撃が当たらなくておかしい……って顔だねぇ

盗賊なんだよ、近接戦はマナーさ」


 マナーなんて域は超えているだろ!?


 トントンと軽く飛びながらこちらを見すえる独特なステップを踏みながら、文字通り俺の心を見透かし、戦いを繰り広げる。


「手も足も……出ない!?」


「ま、自力と経験の差だわな……さぁ?次はどうする……?」


 当たらない攻撃、常に俺の隙を伺いながら刺すような視線が急所へと滑らさせる。


「……クロン……以前の馬車と戦った時のことを覚えているだろ?」


「あぁ、あの時のお前の動きは見事だよ」


「それを超えることをする」


「!!……へぇー?なら、きてもらおうか」


「『疾風が如く』〈移動速度上昇(クイック)

『烈火が如く』〈筋力上昇(パワー)〉!」


 予め頼んでおいたグリムの白魔法


「白魔法か!ははっ!考えたねぇ!」


「拙者たちにできることはあるか!?」


「……私にもっ!」


「スノウは足の人化を解除してフウボクを救え!」


 軽くなった体でクロンに切りかかる。


「なるほどなっ!それで!?まだそれじゃ俺には勝てないぞ!?」


「あぁ!だろうな!だから、俺と『ライ』で考えた魔法を使う!」


「ライ?ってだれだ!」


「秘密だ!『我が身は友に』」


 そう、俺が詠唱を始めるとライも詠唱を紡ぐ。


「!OK!『友の身は我に』」


 よし、詠唱を続けていってくれている。


「『我が身で紡ぐに足りんは』」


「『友である我が紡ぐに足りる』」


「「〈精霊の導き(ライ マリオネット)〉」」


「……それなに……っ!?」


 なにか言葉を漏らす前に、詰めて大きく切り結ぶ。


「もう!俺たちの勝ちだ!」


 勝利宣言を声高らかに上げた。

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