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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、絶望を切り捨てるものだ
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レベル上げ

「……なぁ、カルカトス」


「……なんですか?」


 クロンさんが俺に問いかける。


「……俺、やっぱり30層に行かなくてもいいや」


「?どうしてですか?」


「あいつとは、もう会わないよ、俺は、俺たちは後で殺し合う、そして、俺は絶対に死ななくてはいけないからね、彼女を困らせなくないからさ」


「……そうですか」


「だから、俺は決めた」


「……何をですか?」


「ここはどこだと思う?君たち」


 俺たち、4人にそう問いかける。


「「「「第20層」」」」


 皆同じ答えだ。


「その通り、そして、俺はここの守護者

君たちのおかげで俺は退屈しなかったよ……だが、それも『ここまでだ』」


 片手剣を抜く。


「……つまり、どういうことですか?クロンさん」


「わかんないか?なら、1から説明しよう『俺の名は20層の守護者クロン ウェイパー』今日の今より、俺は……守護者としての仕事を再開するとしよう

この20層を意地でも守り、そして、華々しく死ぬと」


「……悪いですが、俺たちはまだまだレベル上げの途中なんですよ、あなたをまだ殺せない……猶予をくれませんか?」


「先輩!そんな悠長なこと言ってる暇じゃありません!」


「……いや、俺は別に待つよ?」


「……は?」


 意外だと言う様子でグリムが声を漏らす。


「お前はよくルールをわかってるな……そうだ、俺は、20層の守護者としての仕事を再開すると言った

つまり、その仕事とは『20層よりも先へ行かせないこと』

まぁ、俺ももちろん戦いに行くよ?不意打ち上等の戦い方でね

だが、待てるのは『今月まで』だ」


 聞き覚えのある約束だ。


「あぁ、わかった、『クロン』今月末、20層の守護者を倒しに俺は戻ってくるよ」


「……いい顔だ、奴の言う英雄の真の意味を理解したよカルカトス……よし、決めたお前達以外に殺されるのは癪だ、俺もしばし隠れるとするよ……来たら、俺も来る」


 そう言って、彼はどこかへ去っていった。


「さぁ、レベルをあげよう」



ただただひたすらに狩り続けた、あのクロンに負けないようにと、彼女達も気合を入れてか、俺について来てくれた。


「……ごめんね、こんなことに付き合わせて」


「いえいえ!先輩のためなら何でもしますよー!」


「名誉……欲しいし」


「拙者も、お互いの利害が一致しているからこそ、動いているに過ぎない……礼には及ばない」


 このパーティーも、今月で最後、20層の守護者も今月で最後か。



「あ、カルカトスさん、掲示板、見てくださいねー」


 アリーさんがそう言って、掲示板を指さした。


 言われた通りに見ると、紙が張っていた。


《ギルドは30層、及び深部への進行を許可する


 『守護者』の名を以降は〈守護者(ガーディアン)〉とする


 『10層の守護者』を〈10層の守護者ファーストガーディアン〉とする


 〈守護者〉と、会遇及び接触を行った際は現在ギルドに存在する最高責任者に報告をすること


 《守護者》を人とするかモンスターとするかは第1発見者に、それらを判断する権利と義務を与える》


「……なるほど……この場合俺はまず最高責任者と会話、そして、人かモンスターかの決定、か」


「なら、早速行きましょうよ」


「あぁ、いこう」


「アリーさん、今いる最高責任者を呼んでください」


「……また、出くわしたんですか?」


「はい」


「ちょっとまっててねー」


 そう言われて待つこと数分後。


「ギルドのマスターがいらっしゃるので、上へどうぞ」


 マスターとの会話らしい

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