表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、絶望を切り捨てるものだ
65/499

寝坊したから今日は休み

「ん……っは!ここはっ……ラジアンの部屋か」


 辺りを見回すと、すぐ目の前にラジアンが眠っていた。


「んゆー……んむ?カルカトス……?リベンジしに来たの?」


「寝ぼけてるな……ほら、起きろ起きろ」


 頭に軽くチョップを当てる。


「えへへー、やめてよー」


 その手を取られ、開いていた掌を頭に載せようとラジアンが誘導する。


「……あ、そういえば、ラジアンって実は甘えん坊なんですよ」


「魔王様……見てたんですか」


 ドアの縁から顔をひょっこりと出し、そう付け足す黒い髪に赤い目、俺の今や上司なのだろうか?


「えぇ、目覚めた様ですのでね

もっとも、彼女はまだまだ夢心地のようですね」


 その後、俺の後ろに視線が動き、和やかな顔で笑う。


「頭、撫でてあげてやって下さい、きっと喜びますよ」


「は、はい……よしよーし……なんて感じでいいですかね?」


「ふふっ、彼女を見たら分かりますよ」


「ふへへ……くすぐったいよぉ……ふふっ」


「……お気に召した様子ですよ」


「よ、よかった……」


 なんで話していると、右手を引っ張られ、その上に、柔らかくて暖かい何かがのしかかる。


「……えへへ……良い……これ」


 俺の右手に頬を乗せ、また目が細くなる。


「随分と気に入られてますね」


「そうみたいです……なんか嬉しいですね」


「そうですか、ラジアンが聞いたら喜びますよ」


「ふふっ、嬉しいものですね」


「所であなた……精霊と仲がよろしいようで……ステータスにも、そう書かれてましたね」


「あ、はいそうですね、一応俺は精霊の言葉が分かるのです」


「それは凄いことです、それに、あなたはLvが高いとは言えませんが、弱者には見えません……不思議な事です、一重にあなたの力と言えるでしょう」


 身に纏う空気感も、俺の実力と言いたいのだろう。


「そうですか?ありがとうございます」


「ふふっ、ラジアンが惹き付けられたのはそういうところにあるんですよ、彼女、根っからの戦闘狂ですから」


「ははっ、それその通りだと思います」


「……んー?なんか失礼!おはよ、2人とも」


 彼女のことを話題に出していると、ガバッと起き上がり、そう言った


「狸寝入りですか?ラジアン……おはようございます」


「おはよ、ラジアン」


「狸寝入りじゃないよー!なーんか失礼な言葉が聞こえた気が来たから起きたんだよー」


 ラジアンはどこか『子供のようにあどけない』時もあれば『全てを察したかのように話す』こともある、メリハリというか、スイッチの切り替えが上手い。


「そっか、なら、今からどうする?ご飯食べに行く?」


「あ!なら、魔界について紹介するよ!いいでしょ?魔王ちゃん!」


「えぇ、次代の四天王です、意義などありません、楽しんでいただけたら、幸いですよ」


「なら、ラジアンにエスコートしてもらおうかな?」


 そう言いながら仮面をつける。


「任せなさいっ!」


 胸を張り、ドンと叩く。


「……俺は前の勝負でかなり力使ったし、必要な時に呼んでー、それまで寝てるからよー」


 ライがそう言って眠る。

すごいからこそ、コスパが若干悪いな。


「ほら!おいで!」


 差し伸べられた手を取り、魔界へ。

今回のタイトル、きっと誰もが1度は思い願ったのではないでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ