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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、絶望を切り捨てるものだ
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暴走馬車 戦

「……あの馬の弱点は?」


「……さぁ?」


 やはり先輩が危険だ、あの男、まるで先輩を思いやっていない。


「このレベルの男を思いやるほど俺は、大物じゃないからね

それに、俺も弱くなってる……」


 少し歯痒そうな顔をして、また笑う。

この男は本当によく笑う。


 馬車の通る道の前に先輩が立つ。


 当たる瞬間、先輩を馬車がすり抜けた……?


 そう勘違いをしている間に、車輪のみが外れ、地面を転がる骸骨、ひとりでに走り回る馬。


「……っと、やっぱりちょっと掠った……」


「ナイスだ!」


 黒い短剣を抜き、骸骨の首を跳ねる。


 そして、硬いダンジョンの石の床に足を取られている馬に飛び乗り、斬り殺す。


 『また』だ、地面に足が沈んだ……なんなのだろうか?あれは


「……よーし、倒した倒した、ほら、魔石やるから」


 頭から血を流している先輩に魔石を投げつける。


「……まぁ、結果オーライだよ」


「……神業……!」


 フウボク君がそう呟いた……見えていたの……?


「な、何があったの?」


 そういうとフウボク君は


「馬車にあたるその瞬間、体をかがめ、槍と剣を使って同時に車輪だけを取り外した……そして落ちてきた馬車にあたって頭に傷を負った……神業だろう?」


「……え?槍取り出してたの?」


 スノウちゃんも解説を聞いて少しキョトンとしている。


「あの車輪の焦げあとからして間違いないだろうと思う……拙者も驚嘆している……」


 確かに焦げている……いや、でもどうしても……できたのだからそうなのか?


 なんというか……すごい差を感じてしまった

同時に、先輩に追いつくということの難度を理解した。


「ははっ!すげぇな!まっさかそんな方法で倒すとは……!」


 おそらくその動きの一部始終を完璧に見切っていた彼は満足そうに笑っていた。


「……レベルがまるで違う……」


「ん?そんなことないと思うぞ?身体的なLvなら、きっとお嬢ちゃんのが上だ……ただ、使い方の問題だな

スノウちゃん?だったか?君はポテンシャルは今のカルカトス以上で、レベルも上だ、数値上、彼に負ける要素はない

だが、君は100戦しても本気のカルカトスの足元にも及ばずに負ける」


「……絶対に?」


「あぁ、確実に間違いなく、絶対だ」


「何故?」


 淡々と質問を繰り返すスノウちゃん。


「それは、レベル以外の差だよ、経験、知識、そして心だ」


「心?」


 これには私も無言で疑問符を浮かべた。


「明鏡止水……心頭滅却すれば火もまた涼し、それに類似した何かということだろうか?」


 フウボク君は……またなにか難しそうなことを言っている。


「ん!?めーきょーしすい?しんとーめっきゃく?それはよく分からんが……まぁ、きっとそうだろう

カルカトスにはいざと言う時に前へ進む『勇気』とピンチの時も合理的に考える『クレバーさ』があるんだ……見習い、そして、奪えるなら奪え」


 ニヤリと獰猛な笑みでそう助言をする。


 先輩は仮面越しにでもわかる、顔を真っ赤にして伏せている……褒められて嬉しいのだろうなぁ


 案外可愛いところもあるな……そう思いました。

カルカトス

Lv21


グリム

Lv20


スノウ

Lv23


フウボク

Lv21


クロン

Lv103(20層の守護者の影響を受け、実際はもっと低い)

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