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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、絶望を切り捨てるものだ
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先輩っ!【グリム】

「……いやー!やったね!私たち全員合格だよ!」


 よかったー!アカデミー通ってたし、その成果が出たってところだね!


 スノウちゃんとは私とアカデミー時代からの友達だし。


 このフウボク君も、アカデミーの人らしい。

会ったことは私もスノウちゃんもなかったが、面白い話し方をして気に入っている。


「……だね、よかったよ」


「不安だったが杞憂だったようだ」


「いやー!私達アカデミー卒業してたおかげで早速シルバーランクからだし、いい事づくめだね!」


「……だね、迷宮……行く?」


「拙者は少々気になる御仁がいるものでな、その御仁のパーティーに入れてもらいたいものだ」


「私もー!ある人追いかけてるんだ!」


「……私は……グリムのいるところ行くよ」



 そんな話をして、どうやら2人とも同じ人物を探している様だ。


 そして、ギルドで見つけれた。


「先輩っ!」


 そう呼ぶと……あれ?こっちを振り向いてくれない?


「カルカトス先輩……?」


「ん!?俺かい!?」


 あぁ、自覚がなかったのか


「あ、はい、良かったら私たち3人をパーティーに入れて貰えませんか?」


「拙者達に迷宮のいろはを教えていただきたい」


「……私は……おまけ」


「だ、大歓迎さ……けど本当に俺でいいのかい?もっと他にいい人達いるよ?」


「単身で10層まで進撃を続けたと聞く……その腕を見込んでの願いだ……頼む」


 頭を下げるフウボク君。


「私からも!お願いします!カルカトス先輩がいいんです」


「……グリムが選んだ人なら……いいよ」


「……そうか、なら、着いておいで……教えられることは教えるから」


「!はい!」


「感謝する……」


「わーい……?」



 ダンジョンの第1層……アカデミーで何度か学んだ迷宮の中。


「……いくつか話は聞いていたが、百分は一見にしかず……やはり違うのだな」


 難しそうなことを言っているフウボク君


「……さて、とりあえずみんなの力を確認しあおう、ステータスカードの使い方は……知ってたか

なら、それで俺に教えても構わない、そう思えることを教えてくれないか?」


「……拙者から、重大な告白がある

拙者は人間では無いのだ」


「……なるほど、ちなみにどんなに種族?」


 私はかなり驚いているのに、先輩はほぼほぼノーリアクションに近いものだった


「『妖人』という……妖怪と人の間に生まれたものでな……拙者は妖怪よりだ」


 妖怪……東の国にいるお化けみたいなやつのことだったか……?


「なるほど……ありがとう、フウボク」


「あ、次は……私、竜族のスノウ……迷宮狭いから、狭くても戦えるように素手です……」


「なるほど!だから素手だったのか……考えたねぇ……」


「私の種族は……人間です」


「そうか、俺と同じだね」


「!先輩人間だったんですか!?」


「へ?うん、もちろんそうだよ?」


「ま、魔力の量が異常なのに剣士だったのでてっきり魔族かと……」


「ははっ、魔法が使えないだけさ……この槍がないと何も出来ないものさ」


 そう言いながら歩く背中は哀愁漂っていた。

【アカデミー】


 冒険者や、その他専門的な職業について学ぶ場所。


 卒業したということは大きなステータスとなる。

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