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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、絶望を切り捨てるものだ
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青竜と侍

「それでは、第1回戦は『フウボク スイキ』と『スノウ アルター』です」


「……拙者の名は、聞いた通り、フウボク スイキという、東の国より、迷宮を求めこの地に馳せ参じた

スノウ殿、立ち会いのほど、お願いいたす」


 そう言って短い方のカタナを抜き、真っ直ぐ綺麗に構える……礼儀正しい人だなぁ。


「……ご丁寧に、どうも……」


 ぺこりと頭を下げる。


「私はスノウ アルター、私も迷宮目当てにここに来たの……よろしく、いい勝負にしよ……」


 眠たげな目を開き、彼女は……素手?で構える。


「では、初めてください!」


「参る……!」


「私も……!」


 2人、距離を大きく詰める……なるほど、間合いを近づければ、スノウさんの方が有利、中距離はフウボクさんの方が有利……魔法は使わないのかな?



 だが、2人とも近距離戦闘の技術はどっこいどっこいと言ったところだ……戦いが長引けば、恐らく自力の差でスノウさんの勝ちだ。


「……素手でやり合うというのに、随分と強い……拙者も少し搦手を使わせてもらうぞ!

『妖術』〈鎌鼬〉」


 随分と離れたところからカタナを振る……スノウさんは目を見開き大きく横に避けた。


 その瞬間壁が切られた。


「!初見でこの技を見切られるとは……!」


「……今の……何?凄い……私も、拳撃はやめる

『怒れる竜』『冷める大地』『全てを無に』〈青竜の吐息(ドラゴンブレス)〉!」


「!?よ、『妖術』〈煙羅煙羅〉!」


 竜族のブレス……いや、あれはブレスと言うよりも『レーザー』の方が近い、高圧の水を絞り、放つ。


 だが、彼も体が煙のようになり、そのレーザーをやり過ごす……これが試験のレベルなのか……?


 かなりレベルが高い……


「……恐ろしい技だ……拙者、少々気が昂って参った……抜くぞ?」


 背中のカタナにも手をかけた……


「に、二刀流?」


 観戦席のどこかからそんな声が聞こえた……いや、俺の声かもしれない。


「……アンバランスですね?」


「これが一番良いのだ……さぁ、参れ!」


「……『人化解除』」


 両腕が龍のものとなる……あぁ、彼女はそういう戦い方なのか。


 人の姿で竜の技を繰り出すトリッキーな戦い方だ。


「我が大太刀、その目にみせてしんぜよう」


 長いカタナをオオダチというらしい……それを前に向け、間合いの長さを再確認する……異常だ。


「私も……やります」


 両手を地面につけ、前進しか考えていない……あれはまるで『誓い』の様だ。


「……承知」


 両手のカタナを頭上で合わせ激しい金属音と共に下に振り抜く。


 ……この戦いがついに終わってしまう……!


 そして、2人がぶつかり……静かになる。


「……拙者の……負けか……見事……なり」


「……ん」


 両腕を肩から失ったスノウさん。


 喉を食いちぎられ、身体が消えていく。


 スノウさんも、身体が消えていく……どこか悔しそうな顔で


「……いい勝負だったね」


 と、言うスノウさんに


「あぁ、良き戦いだった……まこと天晴れだ」


 完全に消滅し、観客席に飛ばされる。


 その数秒後にスノウさんも隣に飛ばされた。


「勝者スノウさん……お次は第2試合へ移ります」

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