雷槍 轟雷
「……っし!出来た!」
寝ている俺の耳に聞こえたライの声で目を覚ます。
「……な、何が出来たんだ?」
「あ!悪い!起こした?」
「まぁ、睡眠時間は十分かな?何してたの?」
もう眠気は消えていた……ライが何をしていたかに俺の意識はもうシフトしていた。
「ふふっ!それは俺の精霊武具だ!」
「おぉ!ライの!?」
「その名も!【雷槍 轟雷】!」
長い槍……三又の先端、そして、稲妻をイメージさせるギザギザの刃。
「ふっふーん!イメージは『カルの夢を叶える』!」
「ゆ、夢?」
「魔法……使ってみたくない?」
「!で、でも精霊魔法は俺使えないよ?」
「まぁまぁ、その槍持って魔力を流してみろよ……的はあの木を的にでもしてみて!」
槍を構え、先端を木に向け、そして、リョクの弓と同じように魔力を流す。
「……っわぁ!?」
先端から細く、あっという間に消えた雷……間違いない、魔法の類だ!
「……よし!想定通り!……頬が緩みきってるよ?カル」
「え?……ふふっ本当だ……これが……魔法!」
ステータスのMPも確かに減っている!
「詠唱とかもしてみて、形をしっかりと作り出してみたらもっと凄いのができるかもね!」
「っーーー!ありがとう!ライ!!」
リョクとシガネには悪いが……滅茶苦茶に嬉しい、嬉しくて仕方ない!
よりにもよって世界的にも珍しい『雷魔法』これが俺の初めての魔法になるなんて本当に嬉しい!
「よーし!明日からの大迷宮攻略、楽しみだな!」
「あぁ!やる気が溢れ出てくる!」
その日は興奮のあまり眠れなかった。
目を瞑ればあの時の雷が蘇り、眠りを妨げる。
「……ふふっ……ふふふ」
あぁ、嬉しくてたまらない……擬似的にとはいえ、魔法が使えた!
【補助間宝具】
主に魔力機関等に以上を持って生まれてきたもののサポートに用いられる種類の物だ。
その汎用性を広めれば広めるほど、希少価値と値は無尽蔵に高くなる。




