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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、君だ
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最終決戦

これが最終話

 生誕祭は順調に進んで行った。

名勝負を沢山見せてくれた、それは次の世代に期待せざるを得ないものばかりだった。

しかし、俺とサクラ、二人は神様の粋な計らいか、反対側に配置された。


 二人とも、孤軍奮闘!たった一人で敵を蹴散らし、遂には決勝まで登り詰めた。

今はその間の時間、インタビューがモニターに移る。


「注目の一戦、カルカトス選手とサクラ選手、どちらが勝つと思われますか?」


「ディブロ様はどちらが勝つと思われます?」


「堅苦しい言い方はやめて欲しいー!ナルヴァー!」


 魔王様、あんな風になるんだなぁ……羽が伸びきってる。

物理的にも伸びてるな……


「……ど、どうかな?ディブロどっちが勝つ?」


「カルカトスだね、間違いないよ、ナルヴァーもそうでしょ?」


「……えぇ、きっとそうだ、サクラさんを間近で見たけど、カルカトス様の方がきっと強い……!」


 二人が熱く語る、それを待機室にあるモニターから眺める。


「恥ずかしいな……魔王様……全世界報道なのに……」


「そちらの方は、どう思われてますか?」


 フロウとネリーにマイクが向いた。


「私としては、どちらともと横にたって戦ってきたことがあります。

私は二人の戦いを隣で見てきました。

私がネルカートへ飛び込むきっかけになった、憧れは彼……カルカトスです、ですが、この戦い、我らのギルドマスターの勝利を信じています」


「わ、わわっ、私も!サクラさんのほうが多分強いかなぁ……?あはは」


 おぉ、負けそうだ


「お次は……」


 魔族側の人を応援している人は俺の勝利を、人間側の勝利を願っている人はサクラの勝利を信じていた。


「……っはは、凄いな……綺麗に二分割されてる……あ、あの子」


 グレイズ アストロエ、次代の最高の冒険者と呼ばれるほどの力、実際に戦って実感させてもらった。

うん、本当に強かった、恐ろしい、同い年なら負けていたかもしれない。


「初挑戦、最年少にして準決勝まで歩を進めたアストロエ選手は、どう思いますか?」


「私は、昨日の試合まで、サクラさんの方が強いと、信じて疑いませんでした。

彼女の成し遂げた偉業、実際にこの目で見た実力の数々、噂以上とはこの事でした。

ですが、私が昨日完敗した彼が、今の私は一番強く感じます。

何より、私を負かしたのなら、一番になって欲しいです……ね」


 最後の方は照れくさそうに笑っていた。


「ありがとうございました!さて、ここで突撃インタビューです、待合室で待っているカルカトス選手!」


「っおぉ!?な、なんだ!?」


「突然すいません!次の試合に関して、意気込みを」


「お、おぉ!……えぇっと……現在、俺とあいつの戦績は、三戦二敗一分け、はっきり言って俺の惨敗だ。

だが、あいつは俺をライバルと認めてくれている、それは嬉しい。

だからこそ、俺は今日、あいつに勝つ、勝って見せつけるんだ、俺はこんなに強くなったぞって、皆に、サクラに」


「ありがとうございました!では、お次はサクラ選手です!」


「はっ!来たか!カルカトス!貴様らしくないジメッとした意気込みじゃないか!!勝敗など関係ない!私()に!勝てると思うなよ!カルカトス!」


「そーよ!愛の力で負かします!!」


 そうしてインタビューを終えたおよそ5分後、呼び出された。

カツン、カツンと、俺の靴の音が反響する。

暗い通路に反して、眩しくて先が見えないほどの快晴の会場。


 会場は驚くほど今は静かだ、マイクのスイッチが入った。


「さぁ!両雄揃い踏み!皆様たいっっへん長らくお待たせ致しましたァ!!ついに始まります最終決戦、決勝戦!今まで見てきた名勝負は全てこの一戦のため!共に最強を目指し!共に最強を自称し!共に最強と称えられる二人!

しかぁし!!二人も最強はいらない!なら!今日この場で決めよう!さぁ!選手入場だ!!」


 その言葉を皮切りに、ざわめき始める。

光に包まれて、会場に俺とサクラが姿を現した瞬間、耐えきれずに爆発する歓声。

音が身体を叩きつける、それはまるでルギュルのようだ。


 俺もサクラも、観客に手を振る、少しして歓声が止んだ頃、選手の紹介に入る。


「西から入りましたサクラ グランド選手!今やこの世界で彼女の名を知らない人はいない!!ギルドマスターと言う面もありますが、やはり皆がイメージする彼女は、戦争で花咲いた彼女という英雄!現世界においてただ一人だけの純血の紅竜王!!そんな彼女も今はただ、ヤツと戦いたい!熱い闘志が滾る滾る!!そう彼女こそが!!サクラ グランド!!」


 もう既に勝ち誇ったかのように笑う。


「さて!続いて東から入ります!カルカトス選手!サクラ選手と同じ時期にこの世界に飛び込んできたダークホース!未知の迷宮を攻略し、遂に英雄へと至った彼を知らぬものはいない!魔王に信頼される護衛兵が一人、しかし今の彼はただ一人の冒険者!黒い髪!赤い瞳!ハンデ!?違うね!これは証明!忌み子とも呼ばれていた黒髪赤目の英雄!!カルカトス!!」


「……カルー!!!!勝ってね!!!」


 ラジアンの叫ぶ声、拳を突き上げる、湧く歓声が心地いい!!


「カルカトス!!」


 マイクも使わず、解消に響き渡るような大きな声でサクラが俺の名を叫ぶ。


「なんだ!?サクラ!!」


「私は!貴様を超えずして!最強などと名乗れん!貴様を今日超えて!私が最強の英雄だ!!」


「……あぁ……あぁ!!俺も同じだ!!お前を超える!!お前は俺の!最高の、最強の、最初で最後の!!……ライバルだ!!」


「……嬉しいぞ、カルカトス」


 今にも弾けて飛び出して斬りかかりたい、体がウズウズして堪らない。

早くその手を下ろして、試合開始と叫んでくれ。


「……両雄準備は万端!それではネルカート生誕祭、決勝戦……開始!!」

これにて、完結。

500話目、どちらが勝ったかは、後に語りますが、それはあくまで可能性、500話目はあなたが綴ってください。

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