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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰かのために、己を捨てることをも厭わない者だ
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第10層の守護者【アライト】

「……っと、本当に……本当に召喚されたか」


 僕は『とある人』との約束で、この迷宮の守護者になった……が、本当に召喚されると、なんとも言えない気持ちになるものだ。


「……外は、どうなっているんだろうか?」


 いや、黒髪赤目の僕が上に上がっても混乱を招くだけだ。


 ……いつぞやの聖女のように僕を気に入らない人物がいるだろうからな。


 捕らえられた日から数日後、ココア様が魔王を討伐したとの知らせが入った……僕の処刑の数日前のことだ。


 その日彼に助けられて僕は今生きている。



 その数日後……あまりに独りだと寂しいから、つい、仕事を放棄し、人間を20層に『導いた』


 剣士2人に盗賊1人……魔法使いがいたらいいパーティーになるかもしれない。


 先に敵を何匹か倒しておいて楽に進ませた。


 20層、剣の刺さったフロア……


 その数日後、一人の男が僕と同じように召喚された。


「あ、きたね」


「ん?アライトさんか……さては20層もう突破されたのかい?」


「いーや、ただちょっと寂しくてね」


「!……っはははっ!なるほどな、わからんでもないよその気持ちは……1人ってなって見てわかる、心から冷たくなって先に死んでしまう」


 この黒髪黒目の盗賊風の彼もまた、僕と同じ『守護者』だ。


「だが、俺だって仲間の意志を、命を背負っているからな、あんたも滅多なことで負けるなよ?

最後はしっかり見届けてやるからよ」


「僕は僕の『英雄』を見つけるまでは死にませんよ」


「英雄……ねぇ……アライトさんの英雄ってどんな奴だ?」


「英雄とは、誰かのために、己を捨てることをも厭わない者の事です、たとえどんな種族の人でも、英雄にはなれるんです」


「……あんたはならないのかい?」


「……ははっ、僕は、本物の英雄を見てしまいましたからね

……彼を差し置いて僕が英雄なんておこがましいにも程があるってものですよ」


「……そうか?俺は誰がなっても構わないと思うがな?

それを諦めない強い意志さえあれば、それだけで十分にすごいものさ」


「ふふっ、そうかもしれませんね……やはり、人がいるというのはいいですね、寂しくないし、何よりも楽しい」


「あぁ、そうだな、だからこそアライトさんが早々に死んじまうと俺が暇になっちまう」



 いやぁ……すみませんね、負けちゃいました。


 目はあっている、その彼の目は少し残念そうで、そして、羨ましそうだ。


「……お先に失礼します『………』さん」


「あぁ、じゃあな『アライト』」


 少しの間だけだったが確かに友と呼べた彼とお別れを告げ、この世を去る。

各章が終わるとこんな感じで守護者の皆さんの会話を作ろうと思います。

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