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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、君だ
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狂想曲

「……っふふ、嬉しいです」


 ナルヴァーは、そう言ってのけた。

その反応に、俺もマインも口を開けている。


「……カルカトス様、次は僕たちの番ですよね」


 竜が手を叩く。

音符が宙へ舞い上がる。


 俺は俺ナルヴァーを目で追って真上を見上げる、太陽の光に包まれて、見えないな。


「……協奏曲の始まりです」


 その言葉を聞いて、俺はピンと来たものがあった。

いつからか、ナルヴァーの能力をどこかで見たとがあると思っていた、そうそれは


「まるで、サーラーさんみたいですね」


 俺も同じことを考えていた、音の精霊、あいつの攻撃は、音の衝撃波だとすると、これは音で殴ってくる。


「……さぁ行きますよ!カルカトス様!」


 バッと急に走り出す、速度はとてつもなく早いとか、そういうのじゃないが、さすがの飛行速度、相変わらず初速から凄まじい速度だな。


「なかなか早いですね……!《心象詠唱》『省略』〈大龍炎(ドラゴンズフレイム)〉」


 今までに見たどれよりも大きな大きなドラゴン。

それが大きく口を開ければ、視界の全てが詰め尽くされる程の大きさ。


 けど炎に関してはサクラのせいでろくな炎じゃ薄ら寒い。


 そのまま突っ込むことを決心すると、左肩に鋭い痛みが走る。

あの件が伸びてきていた、そして伸びる瞬間が補足できなかった……伸びると言うよりも、急に現れた感じだ。


「……安心してませんか?」


 そんな声が聞こえてきた、内心ドキリとした。

安心、確かにしていた、炎は大したことないし、こんな刺傷、かすり傷以下だ、急所にも刺さっていない。


「っうぉ!?」


 俺に刺さった剣を、そのまま俺ごと振り回す。

炎の竜の顎から飛び出した俺の目の前に現れたのは


「っ!カルカトス様っ!?」


 ナルヴァーの音符。

この音撃……強いっ!?


「大丈夫ですか!?」


「身体の芯に響く……!」


 俺の急所にも響く、これはなかなか痛い……崩御できないし、身体の中がグズグズになるような感覚だ、初めて受けるタイプの攻撃、ナルヴァー……これはマインに当てて欲しいな。


「流石の威力、やはり私が受けるのはまずそうですね」


 そう言って瞬間、手を向ける。

そして、手を向けるよりもさらに早く、地面から蛇が飛び出した。


 詠唱どころか、俺の気づかない間に省略して飛ばしてきた魔法。

こちらに向けてきた手はブラフというわけか?


「〈深海蛇(ハイドラッタ)〉ですかっ!!」


 そう言いながらも、ナルヴァーは直撃するその蛇の勢いを止めようとする。

ナルヴァーが足止めしてくれている間に、俺は前に駆け出してマインに攻撃をする。


 伸びてくるタイミングを察知して、少し身をかがめて無えへ進むと、さっきまで俺がいたところを剣がつきぬける、直視していたが、やはり急に現れたように感じた。


 その伸びた剣を沿うように前へ走り、ついに剣を振るう。

後ろに軽く引かれて避けられた。


 なかなか上手くいかない……ナルヴァーの方を向く。


「……大丈夫だったか?ナルヴァー……って!?」


 すっかり蛇に丸呑みにされて絶賛溺れている。

音は水の中じゃ聞こえないしな……ある意味天敵なのか、意外な弱点が発覚した。


「彼、音の届かないところには攻撃ができないみたいですね?」


 確かにそうみたいだ、困ったな、あの水から何とか取り出して見たが、これはまた同じことをされたらナルヴァーはほとんど機能停止と言ってもいいだろう。


「ナルヴァー、なにか対抗策はあるか?」


「すいません……水魔法は昔っから苦手で……」


 だから最上級の水魔法を直ぐに判別できたんだな。


「……当たらないように戦うことは出来るか?」


「空から爆撃をします、僕のことは忘れて、僕は援護だけします、僕を信じてくれるのなら、僕を助けないでください、僕が溺れるよりも先に、マインさんを倒してください」


 そう言った瞬間飛び上がる。

相変わらずの豪翼で空へ飛び上がり、音がいっせいに空から落ちてくる。


 協奏曲……競争曲……いや、狂想曲。


 狂ったように空から音が降り注いできて、敵も見方も関係ないと言った具合に音が落ちてくる。


 なるほど確かに、この殲滅力を直に見れば、ソウルド程の精鋭集まる国を一網打尽にできたことにも納得が行くほどの恐ろしさ。


「……危なっ!?」


 マインも俺も、辺りをしっかりと見ないと、いつ被弾してもおかしくないほどの密度の弾幕。


 しかしそれは同時に、水の魔法を使う暇さえ与えなかった。

意外なことに、このやけくその苦肉の策が功を奏し、間違いなく敵の魔法を封じることに成功している。


 正確には完全には封じるまでは行かないだろう。

しかし、頭のリソースを俺以外に咲く余裕も無さそうだ。


 お互い忙しなく動き回りながら、目が会った瞬間、俺は距離を詰め、マインは連続して突いてくる。


 無詠唱で繰り出される魔法にも、並々ならぬ意思が籠っている。


 心象詠唱、無詠唱でも心の様を魔法に載せることが出来るのか?

嫌に速い弾速の攻撃から心情を察するに、今の状態にかなり焦っているのか、戦いを早く終わらせたいのだろうか。


 魔法を篭手で弾き、音符を避けながらさらに前へと肉薄していく。

ミランの剣術が前を切り開いてくれる。


 未来を見た、あの直線の突き攻撃が、かなりの遠距離から飛んでくる。

それにカウンターを合わせるように、ダメージ覚悟で歯を食いしばる。

一歩前へ進み、腕を思いっきり伸ばして、カウンターで伸びて来る刃に交差するように、俺もまた体を弄り腕を伸ばす。


 初めて突き刺さった剣は、狙いが少しそれで肩の当たりを突き刺す結果となかった。


「《心象詠唱》『追尾せよ』『息の根を止めよ!』〈深海蛇(ハイドラッタ)〉!」


 しかし逆にマインは俺のこの無理な攻撃を待っていたように思えて。

一瞬の隙に、短く思いを乗せて、水の蛇が空へ飛び上がり真っ直ぐナルヴァーを飲み込んだ。


 音の雨は止んだ、しかし、水の蛇の身体から滴り落ちるそれがまるで雨の様に地面を濡らす。


「……静かになりましたね」


「……あぁ、そろそろ決着だな」


 お互い、後がない。

俺はマインに勝ちたいし、それに早くナルヴァーを助けたい。

マインはそんな死に物狂いで攻め立ててくる俺を迎え撃たなければならない。


 マインの構えは、少し俺の我流のものと似ていた。

違う点は、俺は両手で握るのだが、マインは片手で、もう片方の手は、魔法の準備で忙しそうだ。


 俺も剣を握り直す。

あの飛んでくるであろう魔法をどう切返すかを考えて、血を剣にドクドクと吸わせ続ける。


 生半可な一撃じゃ、おそらくまた反撃の糸口にされる。


 一撃で、立ち上がることすらままならない用や、そんな一撃を叩き込む。


 だから俺は、剣を構えた、真っ向から叩き潰してねじ伏せるために

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