表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、君だ
448/499

再戦

「……あぁ、僕はアライト ワクレフト、鎖と呪いを操る、ただの村長だ」


 そう言って優しく笑う、彼は前と同じように優しく笑った。


「ほ、本物……!?」


 疑問ではない、確信していた、これは本物のアライトだ。

懐かしい……本っ当に懐かしいなぁ!


「久しぶりだね、二人とも、前にあった時に比べて、立派になった、それは……あの時の人達のおかげかな?君たちは本当に……大きくなった」


「……な、なんで?」


 グエルがたじろいだ様子で質問する。


「……そういう契約だから、としか言えないなぁ……まさか、一人帰ってこないだなんて想像もつかなかったけどね」


 その1人は多分クレイアのことだろう。


「君は、君たちは、本っ当に凄い、素晴らしい、ここまで来た自分を褒めてやるんだ。

そして、ここは通さない、僕はここのボスのようなもの、だから、僕をもう一度、今度は君の力で僕と戦って、また勝ってね」


 しゃがみこみ、両手を下に下げる、それだけで気付かされた。

()()()本気だ。


「……前は、手抜いてたんですね」


「……怒らないでくれ、君を認め、先へ進む、その資格があるって認めたから、守護者だから、道を開けたんだ」


 そうだったのか、俺はまだ、あの頃は道を切り開くような人間じゃなかった、認めてもらうことで、自分の内にあるものを鍵にして開けてもらうようなやつだった。


「……行くよ」


 瞬間、目の前に突然現れる、そう見えただけで、ものすごい速度で走ってきた。

腕にまきつけた鎖で、ラリアットをしてくる。


「っずおりやぁ!!」


「っぐ!?」


 意外な物理攻撃方法、しかし意外なせいで頭の中にそんな攻撃をしてくるだなんて思っていなかったせいで首にモロに飛んできた。


「……うん、凄い、凄くいいよ、首を飛ばす勢いだった、本気の一撃だった、なのに、君は生きている、そこに達したんだ」


 褒められてはいるが、首がズキズキする、急いで白魔法で治した。


「……の、呪いは頼む!」


 一瞬で解呪……とは行かなかった、2秒ほどかかった、それはグエルにしては遅すぎた。


「……グエル?」


「ふ、複雑な呪いですこれ、どうやってこんなのを……!?」


 しかし、そうやって実力差に驚くグエルと同じぐらい驚いているアライト。


「カルカトスの持ってくれていた輝石越しに見てたよ、君が何も出来なくて歯がゆい思いをしていたことを、まさか君はここまで至っていたのか……僕の呪いをそんなに早く解いたのは、フレイ以外じゃ、君が初めてだ」


「光栄です、師匠がいいんです、私が立派になれたのは、そのおかげです。

カルカトス、今度は私と二人、安心して、師匠……ディンが、ザントリルが、あの二人に、恥じない戦いを……!」


 気合いを入れている、張り切っているが、落ち着いたいい顔だ。

俺も同じような顔でありたい。


「……うん、いい顔だ」


 少しはいい顔になったらしい、なら、早速だが


「行くぞ、アライト」


「あぁ、こいっ!カルカトス!」


 地面を蹴り、距離を詰める、右手を左から振り抜く。

その動作を読んで腕を前に出してくる、鎖が高速回転している。

あれに当たったら、から娶られそうだ。


 左手を前に突き出し、魔法を使う。


「〈光弾(ライトバレット)〉」


 腕の鎖に巻き込まれて、消えた光。

その瞬間、アライトが、膝から崩れ落ちた。


「……っな?」


 何が起こったか分からないと言った顔だ、瞬間左手に、逆手で持ち替えて、振り抜く。


 首に滑り込んだはずの刃がピタリと止められた。

切れなかったわけじゃない、刃が弾かれた訳でもない。


「……っぐぉ……」


 唸り声を上げたのは俺だった。

四方から伸びた鎖が俺の腕に絡みついて、刃が1歩届かない。

そして、途端に襲う呪いの数々。


 俺は飛び退き、すぐ横のグエルに解呪を頼む。


「グエルの黒魔法でも、トドメまで行けなかったな」


「うん、体が動かなくなった瞬間、すぐに鎖で止めてきた、凄いね」


 解呪は完了した。


「……閉め殺そうと思ってたのに、凄いね、体から何かが生えてきた?それに止められた?……君の魔術か」


 立ち上がりながら、疑問を呟く。

そして、その考察は当たっている、よく見てたんだな俺の事。


 突然現れた鎖は、多分固有スキル、あの時も、鎖が邪魔だった。


「……さて、次はどう来るっ!?」


 ミシッと音を立てて、膝を地面につける、グエルの黒魔法で重くなったのだろう。

瞬間、グエルが魔法を放つ。


「〈虚構砲(ゼロ・ブラスト)〉」


 これは……ディンの……!?


「っおぁ!?」


 鎖で守りきれないことをすぐに察したのか、体を鎖で引っ張って避けられる。

しかしまだ体は重そうだ、直ぐに切り掛る。


「……ダメだよ、軽率だ」


 地面が盛り上がり、瞬間、鎖が飛び出した。

腹を貫き、俺の周りの四方を包み込む。


「《鎖の大監獄(チェーンプリズン)》お見せしよう」


 なるほど確かにこれは檻だが


「……《限界突破(リミットブレイク)》……!」


 俺にはちょっと小さいな

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ