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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰かのために、己を捨てることをも厭わない者だ
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真の英雄【バンク】

「カルカトス!?大丈夫か!?」


 やばい!カルカトスが俺を庇って刺された……!


 あの鎖は俺の横をすり抜け、壁に深々と突き刺さった。


「あぁ!やはり、僕の思った通り『面白い』!それに……やっと……『見つけた』!」


「アライトォ!」


「大丈夫……もう、僕は満足したさ……ふははっ!カルカトス君が起きたらこう言っておいてくれ『君は僕の望む英雄の姿そのものだ』とね

そして、もうひとつ、僕達守護者は死ぬと『輝石』になる……それは、カルカトス君にくれてやるさ」


 そういうと、もう一度口の端を吊り上げ、笑い


「さらばだ、『英雄 カルカトス君』」


 体が光に包まれ、本当に輝石になった……サイズは大したことの無い『10階魔石』とほぼおなじサイズだ……それを手に取り、カルカトスのローブの内ポケットに押し込もうとすると……ポーションの瓶に少し指が当たった。


「!カルカトス、ポーション持ってきてるぞ!」


「!本当か!?なら、早く飲ませるんだ!ギルドに運ぶぞ!」


「わわっ!敵は私が切り払うから2人は早く担いで!」


 その後は俺とクロルでできる限りゆらさないようにしながら走り、何とかギルドに着いた。


「うん、傷口にポーションをかける、古典的だが、確かに役にたった……この子中々酷い呪いにかかってるね」


 医療班の人が冷静にそう言った。


「解呪ができる人は?」


 ギルド内にそう聞くと2人ほど手が上がった。


「わ、私もしたんですけど……ダメでした」


「君は黒魔道士か……うん、大丈夫さ、呪いはかけるのが得意でも解くのは難しいからね」


 解呪ができる黒魔道士、ヴェーラちゃんが頑張ってくれていたのだが……難しいらしい。


 走りながらだったものだし、登り階段、詠唱をしようにも、息が切れ切れで上手くいかなかった。


 そして、トントン拍子に事は進み、身体の傷も癒えて、あとは彼が目覚めるのを待つのみだ。


「……今日もまだ起きていないか……」


 俺は、俺なりに責任を感じている。

だから、彼が目覚めるまで毎日見舞いに来るつもりだ……4日目、まだ、彼は目を覚まさない。

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