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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも勇敢な者だと自分を鼓舞できる者だ
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ジェルクリア

「……っおぉ!!」


 グルンと身体を回し、縦にブレスを薙ぎ払う。


「これは……的がでかくてはいけませんね」


 そう言った瞬間、ジェルクリアが消えた。


「……消えた?」


「ちがう!人になっただけだ!」


 そう言われて目を凝らしてみる……いた、長い青の髪、金の瞳、頭に乗る小さな王冠と、2mはありそうな長身の女性が。


「行きますっ!」


 何かを掴むような動作をしたあと、海を投げつける。

その流れに巻き込まれて、俺もサクラも、動きが渦に巻き込まれた。

俺に当たってはいけないと、サクラはブレスをやめた瞬間、ジェルクリアは竜の姿に戻り、その渦をさらに大きくしようと、回り出す。


 その時俺たちは、初めてその全貌を見た。


「っグッ!?」


「……サクラァ!お前らしくない!俺を心配してるのか!?舐めるな!お前程度のブレスじゃ俺は死なねぇから!上げろ!」


 このままだと負けてしまいそうだ。

そう思いここはあえてサクラを煽る。


 その瞬間、ボボっと音が鳴った。

返事をした音じゃない……あれは水が沸騰する音。


 レーザーのようなサクラ色のブレスが、渦に巻き込まれて動く頭に連動して行く。

サクラも竜になり、俺を掴み、腹部に隠す。


 こいつの身体があまりに熱くて俺の皮膚が溶けていく……が、背に腹は変えられん。


 その振り回すようなブレスをしていると、腹部にいる俺諸共、ジェルクリアに打ち上げられる。


 それはしっぽで遥上空まで打ち上げられる。

その時のサクラの判断は見事だった。

俺を投げて、遠くにやる。


 その瞬間、サクラ程の巨体でも、難なく上に打ちあげた。

我ながら、あの技を喰らってよく生きていたものだと感心しながら、翼を生やし『滑空』して、近づいた。


 触れれば鱗にすりおろされるその巨躯に触れる。

激しい痛み、傷をえぐりながら、さらに深くへ鱗が削ってくる。


「《限界突破(リミットブレイク)》!!」


 そう言いながら触れたところが次第にボロボロになっていく。

俺以外に耐えられるはずのない、あの固有スキルに犯されていく。


 しかしこの身体のデカさ、完全に消すまで、まだまだ時間がかかりそうだ。


 サクラをどうやって助けようか?

いや、あいつなら……耐えられるよな?


 そう思いながら上を見上げると、丁度落ちてきていた。


「………っおおぉ!!《勇敢なる者(ブレイバー)》ァ!!」


 あれは……固有スキルじゃない、あれただ気合い入れただけだ!発動できてない!?


 けど、あいつは使えてると思っているんだろう、ブレスを吐くのを忘れずに、それを横に向け、ジェルクリアの胴体に攻撃しながら、横向きのブレスの推進力で、少しズレて避けた!?


「っすげぇなアイツ!……サクラァ!人になれ!」


 そう言って指示をしたが……人にならない、あんな巨体受け止められねぇぞ!?


 そう思った瞬間、水の魔法が大量に飛んできた。

それを、全て蒸発させて消し飛ばした。


「……っおぉ!!」


「っ一体!何度出てる!?」


 動揺が隠せないまま、腕で掴もうとするが、サクラはそれを弾く。


「……ジェルクリア、私はあなたを尊敬している、竜王の名に恥じない強さを持っているな」


「……竜王になってから、そう言って貰えるとわたくしの格が落ちない…………」


 そう言いながら、限界突破し、消えていく。


 鍵が1つ、空から落ちてきた。

それをサクラがキャッチした。


「とったぞ!」


「……あぁ!よくやった!サクラ!!」


 俺たちは直ぐに傷を癒し、サクラが高熱で倒れるその前にクレイアに作ってもらった陸地で休むことになった

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