表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも勇敢な者だと自分を鼓舞できる者だ
429/499

水竜王

「サクラ!何か情報とかないのか!?」


「無い!今から7500年前の事を詳しく知ってるものか!?

ただ!ひとつ言える!彼女の戦った後には、島も残らな……い……」


 言いながら、気がついたらしい、そして俺もその言葉で気がついた。


「……まさか」


 島がないのは、そういうことか?

そして……コイツは守護者じゃない……ってことはまさか


「……全盛期、そのままってことか?」


「……私も今その結論に辿り着いた……」


 その瞬間、目の前がグラッと歪んだ。

いや違う、これは……海がひっくり返った?


「……っぼ!?」


 サクラが驚き、水を飲む。

俺も驚いたが、エラ呼吸出来て良かったと心底思った。


 上だと思っている方は、どうやら下のようで……あいつが海を弄んで、俺たちはそれに巻き込まれているのか?


 水槽の中の虫を、水飛沫を立てて遊ぶかのように、彼女の少しの動きが、俺たちを大きく揺さぶる。


「っスケールが……違いすぎるだろ!!」


 『デカい』それだけでここまで強いのか!?

サクラは両腕を竜に戻し、それで水をかき分けて、すごい勢いで水面から飛び出した。


 そのサクラを追撃しようと、さっきと同じく水面から飛び出す準備をしたジェルクリア、確かな隙、俺なんか眼中に無いってか!?


「『悪夢魔術(ナイトメアマジック)』!」


 身体を大きく広げて、例えるなら船の帆のように広げて、ジェルクリアの前に躍り出る。


 視界を一気に奪うことで、どこまで効果があるかは分からない……


「……面白いですね、貴方も空の旅に行きますか?」


 そう言われ、広げた身体の腹部に当たる部分に衝撃が走る。

狙い所がいい!そこは直ぐに破って切り離せない!


 そして、水面から飛び出した。

身体を元に戻しても、その上に押し上げられる圧で雲の上に、あっという間に到達した。

しかし、それでもまだ上へ上へと飛び続ける。


「寒いところですね」


 皮膚がパキッと音を立てた。

伸びて薄くなった身体から『柔軟性』を奪わた。


「っマズイっ!?」


 首を振るうその動作で身体が割れる。


「元のスペックが違いすぎるだろ、本当によォ!」


 そんな高いところから、今度は水面に叩きつけようとしてくる。


「木端微塵になりなさい!」


「っマジでなりそう!?」


 相変わらず、今度は下降する圧に押されて身動きが取れない。

しかも今回はさっきみたいに優しく降りてはくれなさそうだ。


 激しい破裂した音、それは水面か、それとも俺の体の割れた音か?


 それすら区別がつかず、意識ははっきりとしない、何よりも音がまるで聞こえない、鼓膜がやられた。


「……《限界突破(リミットブレイク)》」


 そうつぶやく、俺に唯一残された、藁のようなもの。


「……まだ動きますか!」


 流石に驚いた様子だが、今度はサクラがいる。


「っはぁあ!!」


 神速を使って、一気に距離を詰め、勢いそのままにジェルクリアの横顔を殴り飛ばす。


 流石に揺らいだ様子だが、水中では威力半減。


「すまんカルカトス!さっきの間攻撃を試みたが、このザマだ!」


 水面に顔を出すサクラが見せた右腕は肘ら辺まで消えている。


「っ!?なんだそれ!?」


「あの硬い鱗と、轟速で動く身体におろされてな、ボロボロだ」


 そう言いながらも、聖魔法ですぐに元通りになる。


「あいつ、どうやって倒そうか?サクラ」


「彼女は最強だが、たった独りだ。

こっちは二人……いや、三人だ」


 そう言ってニヤリと笑う。


「何する気だ!?」


「上げてくぞ!カルカスト!」


 主語の無い言葉だが、温度をあげようとしているのがすぐにわかった。


 水中にブレスを吐き続ける。

水中が明るくなる、が、火は直ぐに消される。


 しかし、どんどんと光は強くなっていく。

赤、青、白、そして桜色になった。


「……行こう!」


 そういうサクラの横に俺は立てない、熱すぎる。

そして、水蒸気が立ち上る、それは口元の炎だけでなく、サクラの体からも。


「サクラ!これ結晶すぐに溶けちゃう!」


「援護射撃!!」


「俺は!?」


「守れ!私を!」


 そう言って、潜るサクラについて行く。

俺はミランの剣で、こいつを守る。


「っ熱いですね!こんなの初めですよ!」


 王座を崩すのは、次の王たり得るものか、はたまた時代を荒らす革命家か

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ