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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも勇敢な者だと自分を鼓舞できる者だ
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八十二層

「……っと、あれ?ドラゴンが少なくなったな」


 率直に感想を言うと、サクラが指を立てて


「わかってないな、空を飛ぶ飛竜が減っただけ、ドラゴンは何もあれ一種類だけじゃないぞ?オーソドックスなだけだ」


 そう言って、立てた指を指した先には、壁に張り付いているドラゴンがいた。

いつからああしているのか分からないが、身体にコケが生えているほどだろう。


「カルカトス、アイツらとは、極力関わるな」


「……お前にしては随分と消極的だな」


「奴らの体は異常なまでに硬いのだ。

瞳でさえ、矢を弾くと称される」


「……目で!?いったそうだな」


「だが、それでもノーダメージだ、戦えば、本気を出さざるをえない、そして、奴らは平穏を好む。

故に、平穏を害す外敵を皆で追い払う習性もある。

もしも一匹でも怒らせたりすれば、二人揃ってなかなか消耗させられる、後戻りはできないんだ、落ち着いていくぞ」


 っわぁ……こいつに言われるのすっげぇ腹立つ


「あいよ、気をつけて行けばいいんだよな?静かーに」


「あぁ、そうだ………っ!?危ないっ!」


 サクラが急に叫び出して、俺を突き飛ばす。

その瞬間、壁に張り付いていたドラゴンが飛びかかってきた。


「っ早っ!?」


 以外にも素早いその動きに驚かされたが、恐るるべきはその潜伏能力。

獣の感にほんの少しだって引っ掛かりはしなかった。


「こ、こいつは!?」


「敵だ!主に!狩りをする!消極的だがなぁ!」


 そう言いながら剣で弾くサクラ。

この狭い場所だと剣は振りずらいんだろうな、しかし竜にも慣れない。


「消極的って割には動きが早いぞ!?」


 俺もそこに割って入り、ミランの剣でサクラを守る。


「そりゃぁ、ドラゴン……最強種だからな!」


 どこか誇らしげだ、半ば呆れながらも、攻撃を受け流していると、今度は感に引っかかった、背筋が冷えるほどの、冷たい視線に気がついた。


「おいおいおい……これってまさか……」


「……少し騒々しかったかもしれんな……!」


「サクラ!」


「あぁ!戦うぞ!」


「っはぁ!?逃げないのか!?」


 てっきり逃げると思っていた。


「この階層は、逃げたら負けだ!負けたくない!

それに逃げても、こいつらは次の階層まで追ってくる!どっちにしても!私たちで今倒さないといずれ戦うことになるだろう!」


 ドラゴンの習性を理解しきっているサクラならではの判断だ、やはりこいつを連れてきてよかった。


「弱点は!?」


「消極的なやつは光に弱い!身体が硬いやつは……!」


 そう言いながら息を吸う。


「火に弱いっ!!!」


 そう言い放ちながら炎を吐く。

あっという間に当たりを炎で埋めつくし、全て焼き付けした。

光に弱いとか、そういうレベルの話じゃない、光魔法をバカ正直に準備していた俺は悲しい気持ちになりましたよ。


「……すげぇな、お前一人で圧倒できるんだな」


「貴様は忘れているんだろ、私がどんなに強い存在だったかを」


 あの時の戦争の話は後に人を伝って聞いた。

黒竜討伐、その後賢者討伐に大きな貢献をしたと聞いた。

その1人で活躍するには余りにも大変であろう実績を成し遂げ、遂に現代最強の冒険者の名を得た。


 俺は魔王様のサポートあっての活躍ぶり、しかしこいつは自分の体力と、翼だげ戦ってきた。


 そうか、考え方だ。

俺の横にいるのは、あのピュー フォルテと同等に語られる程の冒険者が隣にいるのか。


「……確かに、少し忘れていたかもしれないな……お前は、やっぱり俺の背中を合わせるに足りる立派な相棒だな」


「……そうだろう、あたり前だ」


「体調は?」


「問題ない、ブレス一発程度じゃ元々何の異常もなかった。

それに私は強くなったんだ、どんどんあげていくぞ、体温を」


 そう言いながらも、また向こうから竜の大群がやってくる。


「竜なのに、群れるんだな」


「私の里だってそうだったさ、竜が孤独な時代は終わったんだ」


 そう言って、またブレスで一掃する。

この殲滅力、なんて心強いんだろうか。


「次の層へ降りよう、クレイア、また頼む」


 水晶で作られた階段をコツコツと下っていく。

ここも、サクラが居なかったら、身体の形を変えておりていただろうな。

そんなMPを抑えていけるのはありがたい。


 その分サクラのMPを使う訳だが……


「あぁ、それなら安心しろ、この程度ならじきに回復する」


 輝石の力か?俺とはまた別の方向でこいつも化け物じみている、まるでフレイと言ったところだろうか?


「どんどんと降りていこう、もう二度と後退してなくてもいいように、真っ直ぐ下っていこう」


 サクラがそう言って笑う。

次の階層は、さらに光の届かない闇の中。

音を潜め、ゆっくりと更に深く。

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