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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰かのために、己を捨てることをも厭わない者だ
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英雄が如く

「……体……動けぇぇ!」


「……ふむ、ちょっと動いたんじゃないのかな?」


 そんな呑気なことを言うこの男……この10層でダンジョンを守っている守護者らしい。


「……っ!ふっ!ぬぬぬぅ!」


 こんな感じでさっきから動こうと努力はしているが……動いてくれない。


「待たせた!無事かっ!?」


「バンクさん!」


「魔族!しかも黒髪赤目……それに、大量の鎖?」


「おやおや、なるほど、彼らを呼んでいたのですか、なら、もう一度名乗りを、僕の名前はアライト ワクレフト、この迷宮の守護者だ」


「はつみみ!」


「俺もだ」


「俺もだねー」


「……はぁ、はぁ……わ、私も……で……す」


 グエルさんは彼ら前衛職に置いていかれないように走ったからか疲れている。


 たが、ランクの違う前衛職に走ってバテてはいるが追いつけた……やはり、彼女も凄い。


「さ、カルカトス君、助けに来たよ」


 そう言ってほほ笑みかけるバンクさんは英雄に見えた。


「おい!クロル!後輩をやられる訳には行かねぇからな!やるぞ!あれ!」


「あぁ、俺としてもカルカトス君がいなくなるとなかなか残念だからな」


「私もやるんだけどなー?」


「わ、私も……やれます!」


「なら、まずは彼の呪いをとかないとだ……解呪使えるよね?ヴェーラちゃん」


「はい…………はい、どうですか?」


 無詠唱か……しかもこのレベルの呪いをいとも簡単に……グエルさん凄い!


「ありがとうございます、これで俺も戦えます」


「うん、面白くなってきた……なら、僕も少しやる気を出そうか」


 恐らく呪いの篭っている鎖を束にして腕に纏う。


 その左腕は巨大な鉄の塊……その鎖1本が高速で回転をしている。


「……わーおなんだアレ」


「えぐり切っているな……さっさとやるぞ!バンク!」


「俺、援護します」


「……わ、私も……しますね」


「私は……うーん一緒に倒しに行こうかな」


 地面を強く蹴り、援護のために少し前へ進む。


 床に剣を振り、瓦礫を飛ばす。


「悪くないね」


 左腕を軽く振り払い、瓦礫を砕く……だけではない!?


「ッグお!?」


 伸びたのだ、あの鎖の腕は伸縮自在の腕……倒せるだろうか?


「わわっ!グエルちゃんだいじょぶ?」


 他を気にする余裕があるのかよ!?すごいなぁ


「は、はい、何とか!」


「……黒魔術か……珍しい」


 そう言いながらも直ぐに『抵抗(レジスト)』をしている……さすがに強いな


「次は僕からだ」


 アライトさんが動き、恐らく1番の難敵である、バンクさんに狙いを定め、腕を振るう。


「俺を狙うか……あんまりいい判断じゃないね」


 そう言いながら、前に真っ直ぐ走り出すバンクさん。


 2人の距離が急速に縮まる。


「無謀ですよ!?」


「僕もそう思うね」


 同意するアライトさん


「活路は前にしかないんだぜ?」


 腕を振るい……バンクさんの頭に当たる……いや、すり抜けた……!?


「何っ!?」


「ハッハー!俺の固有スキル《透過存在(インヴィシブラー)》は、どうだ!」


 そう言って距離を詰め、左腕を根元から切り落とす。


 狙いも腕前も満点だ。


「っぐ!流石に油断してました……」


「クロル!さっさと終わらせる!」


「いえ?まだです!」


 地面から鎖を生やし、自分の体を纏う。


「あなたがたがここまで僕を追い詰めた褒美として、ひとついいことを教えましょう

僕は常に呪いの効果を受けています

代償系と言って、自我の代わりに力を得るというものです

僕は魔族にしては体が弱かったですからね……それをカバーするために、僕は解呪魔法をひたすらに鍛えた……僕の真骨頂はまだまだここからです!」

【無詠唱】


 その名の通り詠唱を行わず魔法を発動するもの。

 人によっては魔法名を言わずとも扱える。


【抵抗】


 デバフ系などの身体に魔法を使い影響を与える魔法に対し、使用ができる『テクニック』だ。


 体の1部に魔力を集め、そして、デバフを追い出す感じだ。

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