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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とはなしをして、お花を咲かせたいです!
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ホシノコドウ

「なんだなんだなんだ!?その剣は!」


「そりゃ、ラヴィにしか分からないさっ!!」


 そういいながら、さっきとは比べ物にならない速度で距離を詰めてくる。


「っはぁ!?っなんだ!?」


 早い、力強いし、何よりも性格だ。


「……こっち」


「っ!?」


 背後に回られた!?ってかラヴィも!?

そのまま、真っ直ぐ蹴りが俺の顔面を吹き飛ばす勢いで……頭が着いていることに違和感を覚えるほどの衝撃。


「ナイス!ラヴィ!」


 そんな俺に、攻撃を収めてくれる訳もなく、地面にめり込ませながら剣を振り抜く。

地面にボールみたいに転がった俺の首に真っ直ぐ来る。


「っあっぶ……っ!?」


「……それなら、また蹴るよ?」


 横腹が、今度は蹴り飛ばされた。

どっちかを避けたら、どっちかにやられる。


「リリー、魔術使お」


「ん!?いいね!」


「……嘘だろ」


 そうだった、まだまだ上があるじゃないか……ラヴィの精霊魔術だァ!?んなもん喰らってやれるか!?


「『ホシノカケラ』」


 詠唱を始める……その隙をつこうにも、ラヴィがみている、なら。


「『俺は摘み取るもの』『終末論を綴るもの』」


 俺も、この時間を使って、固有スキルを!


「『極色彩の虹の花』」


「『悪夢となり飲み込む』」


「『世に知らしめよう』『花が咲いたよ』」


「《限界突破(リミットブレイク)》!」


「〈宇宙の胎動(ホシノコドウ)〉」


 ドンと、大きな音が響いた。空が、揺れた?

バクンバクンと、嫌な音が響く。


「さぁ、避けてみて!」


 両手を広げ、上を向いたリリーに釣られて、俺も上を見上げる。


「……は?」


 流星が降り注ぐ。

ただの背景でしか無かったその空に、本物の宇宙を投影したのか?

んな事言ってる場合じゃない!


「っデタラメすぎるだろ!?」


 流星の落ちるところをしっかりと見極めろ!

ここを超えれば、次は俺の攻撃なんだ!


「……っおぉお!」


 走る、爆走する。

足の形を変えて、短距離を、超速で走る。

それを何度も繰り返して避ける。

靴を脱いで、裸足で地面を感じながら避ける。


「…………凄い、さすが舞手」


 そんな賞賛の言葉を送って貰えて嬉しいよ、ラヴィ。

しかし、その瞬間、足首に熱い感触。


「……これは!?……ラヴィか!?」


 足首を貫通した虹色の美しい刃が、俺の足を止めさせた。


「……わ、なかなか酷いね、ラヴィ」



 熱い、なんていう威力なんだ、身体が半分焼き尽くされた。


「……リリー!ラヴィ!」


「っお!来るよ!リリー!」


「……だね」


 2人とも、少しも油断をしてくれない。

なら、知らないことを見せてやる。


 俺は、元々色んな武器を使えるんだ。

少し前に代償として払った、が、あの時よりも高い修練レベルを咄嗟に出せたら、それらは取り戻せる。


「『アデサヤ』!俺の血をやる!力を!貸してくれ!」


 刃を握り、振り抜く。

血を刃が纏い、鮮血剣は名に恥じずに、艷めく。


「っいくぞぉ!」


 走り、距離を詰める瞬間に、弓矢をかたどり、何発も打ちながら距離を詰める。

そして、近づいた瞬間、弓矢が斧に形変わり、剣での受けを強制する速度で振り下ろす。


『弓術Lv6 斧術Lv4を会得しました』


 動きにキレが生まれてきた。

そして、剣を受けた瞬間、横から容赦ない打撃攻撃。

以外にもこの子はこんな見た目で物理戦が得意らしい。


 斧は、ただの斧じゃない、血でできている。

ぐんと伸び、俺の側面を守るように剣山を作り出す。

そうこれは、アデサヤの剣山。


「っ!危ない……」


「っ!重いぃ!」


「まだだ!一撃喰らえ!」


 剣に受けられているし、剣はすごく硬い、ならそれを貫通してしまおう。

血が流れて、斧が斧じゃなくなった瞬間、また剣がすり抜けた瞬間に斧が直撃する。


「……っ危ないよ」


「……は!?」


 いや、直撃するところだったのに……ラヴィが止めた。

髪の毛が、大きな刃のような硬さを誇っているのか、金属音を鳴らしながら止めてきた!?


 そして、俺を指さし、ラヴィはこういった。


「耳を澄ませて」


 その言葉に、そのまま従う。


「……っまさか!?」


 気が付いた。


「気が付いた?……鼓動はまだ()()()()()


 流星がまたも真上から直撃した。

今度はかなり体を持って行かれた。


 威力が桁違いだ、一気に大ダメージを負わされる。


「……っこれは、ちょっと距離とろう」


 向こうもちょっと怪我をしている。

お互い少し距離をとる。


「……クロン……ウェイパー、二対一は、ちょっと卑怯だよね」


 姑息で卑怯な盗賊に、そう声をかけた。

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