晩餐
「……ただいま、ラジアン」
扉を開ける。
きっとその先にラジアンがいることを、わかっていたかのように。
「おかえり、ご飯すぐ出来るよ、まってて」
「なにか手伝うことある?」
「いや?ホントにそれだけ……あ、食器並べてて」
「あいよ、リリー手伝えよ〜?」
そういって、流れるように話をしながらリビングまで歩いていく。
「おぉ、2人とも仲良いよね、ホント」
「っなな!?何言ってるのよ!?ら、ライバルだからよ!」
バクンと、ものすごい心臓の音が鳴った。
「……ははっ、だな、ライバルさ、最高の」
そういった時、リリーが目を細めて
「いいね、羨ましいよ」
そう笑っていた。
「……へー、その蕾咲かせたいんだ……お、美味しいじゃん」
「だな、ラジアンもまた手伝ってくれよ……あ、ホントだ、すっごい美味しいな」
「魔剣も精霊の類だからねー……おぉ!美味しいね!……2人ともなんでこっち見てるの?」
「……今なんて?」
聞き間違えじゃなければ……精霊の類?
「美味しいって」
「違うっ!その前〜!」
ラジアンが今度は口を開く。
「?魔剣も精霊の類?」
「そこ!それホント!?」
「?そうだね、私はそう思ってるよ?」
そう言われ、またフォークを動かすリリーを横目に、ラジアンと見つめ合う。
「……マジ?」
そんな意味を込めた目で。
そして、お互いの魔剣を思い浮かべていることだろう。
「……あれ?知らなかったの?」
「いや……薄々感ずいてはいたけど……事実とは」
「カルに同じ」
小さく手を挙げて同調するラジアン。
「あ、そーなんだ、まぁじゃあ知ってた方がいいよ、精霊の力を引き出した時、力は爆発的に伸びるのは……カルカトスならよく知ってるんじゃない?」
確かに何度か助けられことがある。
なら、俺とラジアンでお互い付けあっているこの篭手にも何かがい宿っているに違いないだろう。
「……べ別に友達になったらいいってわけじゃないんだ、どうしても仲良くなれない時は……支配するのも、またひとつの関係性だよ」
ラジアンの得意分野だろう。
なら、この剣にやどる精霊は、一体どんな精霊なんだろう?
少し、話がしてみたくなった
「……へぇ、ありがたい話が色々聞けたな……」
「だね、さすがに1万年の英雄は違うね、私こんな風にちゃんと話ししたのは初めてかも」
「……あ、そっか、私英雄か」
リリー サジェントス、その名前はまぁ聞く。
特別大きなことをなしとげたわけじゃない、ただ、世界に笑顔を振りまいた。
……それは、捉え方によっては、何よりも大きいことだろう。
別に笑ったから腹が脹れたりしないが、それでも明日を生きる力にはなるだろう。
「ま、精霊と話をしたいなら、ラジアンは才能がまぁあるからね、多分しつこく話しかければ何年かしたら話せるよ」
「……あれ?私もう声掛けれるよ?前喧嘩したけど上から叩き潰してみたりもしたし」
その言葉に、リリーは目を丸くしていかにも驚いている。
「ほんと?凄いね、そんな伝説の魔剣に住む精霊を叩き潰せるなんて……精神力?それともなんだろ……何か違うね」
俺の方は話そうと思えばいつでも話せるって言って貰えた。
まぁ、実際会話できるしな……ラジアンはその剣に宿る精霊が普通に言葉が使えるらしい。
「才能は、ほんの少しでもあったら伸ばせるんだよ、正しい伸ばし方を知ってたら、ぐんぐん成長する。
才能は、種みたいなもの、あとはそこに何をたすかってわけ、そしたらどんな花が咲くかな?別に背丈が低くても、うっっつくしい花が咲けば素晴らしいじゃん?」
そういって、彼女はラジアンを連れて特訓に行った。
俺も、ナルヴァーを探して、飯を食ったあと、温泉に浸かりに行った。
「っくぁ~……カルカトス様、温泉、いいですねぇ」
「だな、友達と入ると尚いいもんだ」
「友達だなんて……恐れ多いですよ」
「……そう自分を下卑するな、俺なんてお前よりもちょっと入るのが早かっただけ、それに、同じ人に使えてるし、共に修羅場を巡った立派な戦友だ」
そういうと、感極まった様子で
「ありがとうございます!自分は以前の戦争の時……更にカルカトス様への尊敬の念を強めることになりました。
あなたのメンタルの強さに、僕自身参考にしたい点がありましたから。
僕は、あなたよりも辛くないのに、弱いのに、諦められないですよ」
お前は今や立派に強くなったと思うけどな……もしもこいつがサーラーの音の奇跡を取り込んでいたら……2人とも似た固有スキルだったし、きっと、凄まじいパワーアップが見込めただろうな。
でもこいつはもしかしたら、努力を積み重ねて、俺たちを超えるほどの『場数』で……数値に現れない強さを持っている奴だ。
「……もうお前を侮るやつは居ないさ」
寝る前に、剣に声をかけようか……




