アングラ リーパー
少し前に、私は皆様と自分について、語らっていたことがありました。
皆さん己の過去を語ってくれました。
まずはその中の『アングラ ザントリル リーパー』に『成った』話をしましょう。
その昔……むかーしむかし。
私の両親もきっと生まれていないであろうほどの昔。
魔『術』の研究を行う魔女は忌み嫌われていた。
それは禁忌として知られていたが、その知的好奇心を抑えられなかったものに与えた『罪状』こそが、その魔女という名だった。
今となっては各属性のスペシャリストというイメージが強いが、術を使える魔女は数少ない。
100年ほど昔のこと、魔女狩りが行われたと聞きました。
それは、その知識の削除として、3代ほど前の賢者の命令でした。
もっとも、その3代前の賢者は若くして死にました、死因は……まぁ、ザン様の恨みを買ったこと。
身寄りのなかったザン様にとって、お師匠様の『ザントリル クレイン』という女性は、母のようであり、兄妹のようであり、とても愛おしい存在だったと、今にも笑みがこぼれそうな表情で語ってくれていました。
そんなクレインさんも、命を落とす寸前に、ザン様の胸の中で死ねて幸せだと言っていました。
そして、リーパーはもう立派な魔女だとも言ってくれたそうです。
そして『ザントリル』の名を名乗るに値する魔女となったザン様は今の『アングラ ザントリル リーパー』となりました。
魔法を何百年も研究してきましたが、それは例えば何かを倒すためではなかったのでした。
どちらかと言えば、次の時代に何かを残してやろうと、自分の研究を、いかに分かりやすく伝えられるだろうかと、口下手なザン様なりの方法を模索し、研究にあけくれていました。
そうして、ある日、剣聖が家に尋ねてきたそうです。
『君は……次の時代に、人と魔族が手を取り合うような時代に、その犠牲になってくれないか?』
殺意も敵意もないその発言の意図がつかめず、困らせたと言って言いました。
その昔、この世界の外には、海の向こうにはまだまだ世界が広がっているそうですが、その外の国の者が、サーラー跡地の辺りに街を形成していました。
その街を、ザン様が壊滅させて、そしてそこで暮らしていたそうです。
首に提げたペンダントは、彼の師匠が渡してくれた物。
「僕の持つものの中で最も大切なものだ」と言ってもいました。
私と最も長いときをすごした『六罪』
最後の最後までよく分からない人だし、掴みどころはなかったけれど、たしかにわかるものがあった。
それは、あの人は、実はとんでもなく優しい人だということ。
そして、また、我々の仲間全員に言えることだが、自分の命さえも顧みず、何かのために戦える人だった。
黒魔術師……黒魔女、アングラ ザントリル リーパーここに眠る




