表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、戦いの中で生まれる者だ
357/499

黒と氷

「………っお!きたきたきたァ!来たぜ!フブキさんよ!」


「お!どうやらそうみたいやな!っし!いっちょやったるで!」


 遠くにいるが、お互いを視認した。


「……うん、これはこれは……フブキの方は我々に任せて、君たち2人はアルグロウドを任せる」


「……あぁ、あいつは私にしか倒せない」


「かもね、私は助けるよ、サクラを」


 心強いサポートをしてくれそうだ。


「っうわぉ、これは………すっごく楽しそうだよ!エンブラー!!」


「……こうやって横に並ぶのは、初めてだね、よろしく、人間の皆」


 四天王の二人が現れる。

横暴と呼ばれる彼女は、目をキラキラと輝かせている。

赤髪の男は、今こうしてみんなが並んでいることに、感慨深くなっているみたいだ。


「………揃い踏みだな!フブキ!」


「せやなぁ!………っゴホン……こほっ……あーあー……」


 冷たい冷気が私たちの背中を撫でた。

真っ白の肌に、雪原に落とした血の雫のような唇が動く。


「心して聞け貴様らよ、我はフブキ シュレンド。

全てを凍てつかせる氷の魔王より何よりもアツい愛を注がれ

全てを蹂躙する赤い鬼神より何よりも静かな冷淡さを受け継いだ。

我こそが、フブキ シュレンド、父と母の名において、敗北は、ない」


 そう口調が変わり、宣言し終えた後、ゴオッと吹雪いた。

思わず目を瞑り、次に開くと……辺りは真っ白に、雪に覆われていた。


「っ、化け物か……!?」


「『氷鬼』その恐ろしさをその身に刻め……!!」


「さっみぃ!?フブキ!?俺でもこんなに身体が動かしにくいって……なんだよ!?」


 そう言って、巨大な竜が身を縮める。

そして、我々もその寒さに身体が軋む。


 1人を除いて。


「悪いが油断も何もしてられない。

いきなり殺させてもらうよ……『土石弾(アースバレット)』」


 あれは……私たち、カルカトスと私を即死させた魔法……ギミックは分からないが、あれなら行けるかも。


「………っな!?」


「……ほぅ?」


 氷の鬼が、冷たく笑った。

そして、ピュー フォルテは青ざめた。


「……まさか……まさか!?」


「驚いた……これはこれは………っくく、なかなかどうして……蘊蓄が通じるものもおるではないか?

どれ……面白い……ほれ」


 そう言って、掌をこっちに、ポイッと雑に振るう。

それだけで猛吹雪が吹き、ただの人間の皮膚を容易く引き裂き……そして、ピュー フォルテの腹に、氷の塊が押し込まれた。


「……っが………無詠……唱……なのか!?」


 ありえない、最強の冒険者、その名を持つものでさえ、これほどまでに圧倒されている。

そして、魔法の正体は、ただの氷の弾丸を放つもの……豪風は腕を振るった風圧に過ぎない。


「……俺いるぅ?」


「まぁまて、もうちっとばかり見ておけ……あの竜と、横につきそう女を見逃すでない……あヤツらの相手は、貴様に任せる他あるまいて」


「それはなんだ?恨み俺が買ってるから?」


「違うな、あの子の炎は……肝が冷えそうだ」


「焼かれるのに冷えるのね?」


 そんな漫才をしているが、こちらとしては急ぎ治療をしなくては……!


「『聖魔法』!!」


「……っ、助かった……ありがとう、あの魔法に、防御は通じない」


 そう言って、私に言葉を投げてくる。

向こうは向こうでざわついている。


「ほぉ!聖魔法!!」


「な!言ったろ!あれは聖魔法だろ!?」


「……装甲を突き破るとかじゃない、あの魔法のタネは、相手の体内に、いきなり魔法を発現させるんだ」


 体内に……?


「無理ではないか?」


「類まれなる才能を持ってたらできるんだよ、意外にね」


 そう言って説明されるも、よく分からん。

しかし、氷鬼は満足そうな顔で横柄に頷き、こちらに雪を踏みながらやってくる。


「いかにも、類まれなる才能の持ち主でなくては、勤まらん魔法よ

して、貴様その魔法を、どこで学んだ?

これは我が父の、最終奥義と言おうか……魔法の極地と言ったところだ」


「なに、蘊蓄が好きでね」


「……なるほど?

アルグロウド!貴様に命ずる!少しばかり場を外せ!

そして、そこから元気な奴を貴様が相手するのだ!」


「なになになになに!?何するつもり!?」


「……氷『魔王』の真似だ」


「……やっば、逃げよ」


 ニイッと牙をむき出しにして笑う、美しい、慎ましい和装に似合わない獰猛な笑みだが……どうしてか、目を奪われた。


「まずはこの程度、耐えてくれるよなぁ!?

『氷の魔王』『我が父ネーヴェよ』『永久不変の凍結大地』『その寒さたるや』『身に染みよう?』〈致命的な吹雪(ハイテレス・ヴェター)〉」


 その瞬間、目の前が真っ白になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ