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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、戦いの中で生まれる者だ
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開戦【サクラ】

「………っあぁ!!あああああぁ!!!」


 明け方、空に吼える、叫ぶ。

重い意思を、私の声に乗せて、精一杯叫ぶ。


「父さん!!見ててくれ!!私は今日英雄になる!!」


「アツいねサクラ、昨晩も楽しかったけど、サクラもスタミナ付いてきたね」


 確かに、一晩中乱れきっても、次の日に引き継がなくなってきた。


「まぁ、さすがに……慣れては来たぞ」


「ははっ、そう?

それじゃ、私英雄から、一言君に贈ろう。

もちろん私の持論だから、聞き流してもいいよ?

『英雄とは、戦いの中で生まれる者だ』」


「………間違いないと、今日証明しよう」


「うん、ありがとう、愛してるよ」


「っ!恥ずかしいことをことも何気に言うな!?」


 そう言いながら、私は歩き、とある場所へ向かう。


「!やぁ、久しぶりだね、こうして話すのは初めてかな?どうも、土の勇者『ピュー フォルテ』こっちは仲間の前衛『アニラ』魔法使いの『ドルト』刀を使う鬼『ハザマ』だ」


 各々が一様にプラチナ冒険者。

みな、歴史に残りかねない偉業をなしとげた者達。


「どうも、最近いい所なかったので立候補しました」


 そう言って姿を現したのは、異世界の勇者、カノ ユウジ。

聖女、剣士、エルフ、いいパーティーだ。

ソウルド跡地へ向かうらしい。


「私達も会うの初めてよね、よろしく」


 魔女たち……そして、その中に見慣れた同期の顔。


「知らぬ間に、随分と高みへ行っていたんだな、グエル」


「お久しぶりです……師匠と、強くなりました。

私の2人の師匠に、見せたいんです、私を」


 杖を力強く握る。


「俺たちは、そんな可愛い後輩を守る剣士だ」


「……ま、そんなところだ」


 バンクパーティー、間違いない実績と、積み重ねが彼らだ。


「久しぶり、サクラ、元気そうでよかった」


「フロウ!貴様も元気そうでよかった」


「おぉ!久しぶり!お前には今度は負けねぇ!」


「暑苦しい!向こうへ行け!ファイロ!」


 そして、あっちの水色の長い髪の女性は………


「………あっ!は、はじめまして!私!ネリーです!水の勇者です………よ、よろしくお願いします!」


 この違和感は……アレだ、精霊のアレと一緒だ。

白カトス(白髪のカルカトス)の時と似ている。


「あぁ、頼むよ、ネリー」


 先輩面させてもらう。


「さて、皆には申し訳ないけど、ここはみんなの前にたって話をさせてもらう。

今回の戦いは………おそらく苛烈を極めるだろう。

しかしわかって欲しい、我々がこうもフリーで動けるのは、向こうが魔族も警戒しているからだ。

彼らのおかげでもあるんだ。

この戦いの果てに、新たな友情が生まれることを、期待している。

そして、みな生きて帰り、明日!朝日を背に!古き日の英雄の凱旋を!今一度!!見せてくれよう!!」


 心に響く大きな声で、震えさせられた。

朝日を背に、英雄の凱旋。


 実際の歴史ではただの一度も上手く行かなかったらしい完全勝利。

敵が味方になるんだ、今こそ、現実の物にしてくれる。


「サクラ……」


「どぉした?クレイア」


「……ふふっ、優しくなったね、私の声に……嬉しそうに答えてくれる、私はサクラが大好きみたい」


「……私も……嫌いじゃない」


「ありがとう……今はソレに……ツンデレ気質(ソレ)に救われた」


「ん?何の話だ?」



「さぁ行くぞ!!」


 私の問は、最強の冒険者の声によりかき消された。

クレイアも手を掲げて、声を出す。


 私も……不思議と熱に犯された。


「……っぉぉおお!!」


 開戦だ、始まった!!

世界征服を防ぐんだ!英雄に…………なるんだ!!!

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