表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、戦いの中で生まれる者だ
355/499

難しいところ【カルカトス】

「……魔王様、その……もうご存知でしょうが、2人、裏切られ

そして、このままだと世界征服をされるようです……どうします?」


「……まず、私は、サーラー跡地へ向います。

あの魔女は私が1度戦って、逃げた相手です。

きちんと向き合って倒さなくては行けません」


 決意にみなぎった瞳、そしてそれは若く熱く燃えていた。

忘れかけてはいたが、魔王様はまだまだ幼い少女だ。

人格者でもあるし、深い考えを持ってはいるが、まだ少女なのだ。


「そして、ラジアンにはエンブラーと共に西の港に。

氷魔王は竜王の炎さえも凍てつかせると聞きます、故に炎だからぶつける訳ではありません、エンブラーだからぶつけます。

そして、夜になれば、我らの夜帝が姿を現します」


 こくりと頷くエンブラーさん。


「……わ、私カルカトスと一緒じゃないの?」


「……ごめんなさい、あなたの気持ちはわかりますが、我々は困ったことに【七十層の守護者(セブンスガーディアン)】への対抗策を持っていないのです。

協力を求めようにも、彼女一人に無双されます

ですのでカルカトスは【七十層の守護者】の元へ、逐一駆けつける。

そして、そこが3人になる場合は、どちらか片方が抜けて、常に2対2を形成すること。

ナルヴァーとカルカトスに一応東の港を任せます。

ソウルド跡地につきましては………人間に任せます」


「………うちのリッチロードをいかせてください」


「わかりました、では、そうして………人間と手を組むことに関して、如何思いますか?」


「……僕の個人的な考えでは、やはり、仲良くしたいです」


 エンブラーさんが剣を撫でながらそう言う。


「私は……魔王ちゃんのしたいようにして!それが私の最善!」


「僕は……皆様を信用しています……いえ、自分で答えをもてていません。

僕のような若輩が、如何にしてここまで生きてきたのか、奇跡の積み重ねです。

しかし、僕はその信用してる皆様が傷つけられたことはやはり許せません………ミリアのことも、カルカトス様のことも、ディスターヴのことも……ですので……反対です」


 ナルヴァーは重々しくそう言った。


「……ありがとうございます、ナルヴァー、あなたの言葉が私の心の中に、確かに存在しますよ。

では、カルカトス、あなたはどう思いますか?」


 この人は、やっぱり幼いのに、すごい人だ。


「……あなたはすごい人だ、本当に。

我々を家族同伴に愛してくれて、良くしてくれた。

そのせいで、仲間が命を落とした時、誰よりも気に病んでいる。

今すぐにでも暴走したいだろうに俺と違って押えている……そろそろ爆走してもいいんです。

あなたの好きなように……できる限りのサポートは致しますから」


「………わかりました、では私は………そうですねぇ、難しいです

でも、決めてもらいたいとは思いませんね、不思議だ。

『人とは手を取り合う』そう致しましょう」


 魔宝具を片手に、そう宣言する。

聞こえてくるのは、ネルカートの王の声。


「幼いのに、立派に王の器ではないか、なかなかどうして……魔王の代が変われど、魔界が驚異となるわけだ。

では、我々で情報交換をしよう」


 そう、向こうも同じらしく、話が進んだ。


「では、まずは我の方から……まず、お互いの共通認識として、フブキ シュレンドは強すぎる。

そのため、こちらからは最強の冒険者をぶつけるつもりだ。

集めて話を聞いてみたところ、サクラ グランドはアルグロウドに並々ならぬ怒りを抱いており、それに守護者も同行する

西の方は魔界の出だ、こちらからは風の勇者、炎の勇者、そして……水の勇者を行かせる。

サーラー跡地には、魔女の面々とバンクパーティーを行かせることになった。

そして、ソウルド跡地には、後々片付いたものにつき向かってもらう。

大人数で不慣れな連携をするよりも、なれた仲間の方が馴染みやすかろう

それに、他を無視してられん」


「ですね、こちらの方では…………となってます」


 そうしてお互いの配置を言い合ったが……俺の名がなかった。


「魔王様?」


「そして、我らの四天王『幻獣』は全ての戦いのサポートに入っていただきます。

我々の中で最もスタミナに優れているのは、やはり彼としか。

一人を抑える力はラジアンに、制空権はナルヴァーに、火力はエンブラーに劣ります。

ですが、彼の魅力は変幻自在さ、私の能力で彼は化けます」


「……わかった、ではそれで行こう。

決行は、只今より2日後、あまりに放ってはおけんのだ」


「同意です、そして、2日後、承知しました」


「魔王よ………この戦いを機に、今一度手を取り合おう」


「………えぇ、よろしくお願いします、人の王」


「……幼いなぁ!我が娘らとそう変わらん程に……」


 悩ましそうにモゴモゴというのは、やはり王も人の子かと思わされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ