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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、戦いの中で生まれる者だ
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宣戦布告【サクラ】

「っつう……いやだ、やだやだ!もう寝る!」


 思い返せばらしくない。


「あぁっ!もぅ!可愛いなぁ!!すきすきすきー!」


 私は枕にしがみついて眠ろうとするが、その私の背に抱きついて、頬擦りをしてくるクレイア。


「やだぁ、もう寝る……眠たいよ……」


「……わかったよ、もう日も昇ってるしね、寝よっか、一緒にね!」


 裸の私に布団をかけてくれるクレイア。

そのまんま一緒に眠りにつく訳だが……どれぐらい時間がたったか。


「どーも!アンノウンに住まう皆様!!」


 そんな声が私たちの頭の中を貫いた


「っうわっ!?だ、誰の声だ!?」


 眠ったおかげかいつも通りの私に戻った。


「これは……なんだろう?誰かが語りかけてきてるのかな?」


「驚かせてごめんなさい、これを聞いているのは、この世界に住まう皆様全員に聞いてもらっています。

内容はですね……ええっと、まず、最近、爆発が起きたことでしょう?その犯人は私たちです。

ではなぜ、そんなことをしたのか?その質問にも今からお答え致します」


 女性の声だ、しかし聞き覚えはない?


「まず、我々の目的をお伝え致しましょう。

我々は、現在の戦争に乗じて『世界征服』することが目的です!」


「せ、世界征服?」


「なんか突拍子もないことを言ってるね」


 確かにそうだ、しかしあの爆発の影響力は本物だ。


「そして、そんな世界を征服せんと動く我々の仲間を紹介しましょう。

まずは私から、私の名は『ルロック ラグラン』魔族です。

次に同じく魔族の『ペルソナ アルモア アダマンテ』

黒竜『ハングリ アルグロウド』

今代の賢者『マチア カーラ』

我々の愛しきメイド『シャルロ ラヴハート』

黒い魔女、しかし男『アングラ ザントリル リーパー』

以上6名をもって、我々の名を『六罪(アルマティア)

そして、我々を従える一人の男の名は……」


 そう言ってためが来る。

アルグロウド……やはりあいつも……!!!


「最強の剣士『ハルマ バルバ』」


 最強の剣士、間違いなく最強の剣士の名だ。

そして、それら7人が、世界征服?


「……世界征服、そんなことできるわけが無い

なぜなら、我々には『最強の冒険者』が居る。

ミスリル級冒険者のみんなが居る、魔女が、国王が、英雄がいる……そう思っているんじゃないですか?」


 無理だと思った時に、その理由を正しく話す。


「確かに総当りされればそうでしょう。

しかし、あなたがたは現在戦争中、腹の中を信じられるのもどもで、一体どのようにして共闘なさるおつもりで?

もしかすると背中を刺されるかも?

さすがにそんなことになれば、最強の冒険者もひとたまりもない!

ねぇあなたたち考えてみてください、本当に、私たちに勝てるんですか?」


 そう言って惑わす。

いや、さすがに戸惑う。


 きっと躊躇うだろう、難しい話だから。

ミスリル級冒険者は現在、世界にたったの2人……いや3人。

『ピュー フォルテ』『アイラ ブラムドレイ』

そして、最後の一人が問題なのだ、そのものの名は、そう思い出した……『アングラ ザントリル リーパー』

百年以上前の冒険者の名だった。


 歴史上、ミスリル級の冒険者はほとんど居ない。

例えばクレイアの母、フェルメス サッサはプラチナで抑えられる器でないと称され、ミスリル級という、新たな位を作り出した。


 そして、その後の歴史でも、冒険者の中にミスリル級へ至ったものはひと握り。


 歴代最高のミスリル級冒険者とも呼ばれる『氷鬼』の異名を冠する『フブキ シュレンド』


 5000年前の彼女でさえ、記憶に新しいミスリル級冒険者、彼ら彼女らは、存在することさえ奇跡なのだ。


 一人もいない期間だって何百年もあった。

今この時に2人もいた事がまず、おかしいほどに。


 しかし、それであっても、何も安心できる要素は無いのだ。

いや、確かに現状であれば、充分勝利できるだろう。


 しかし、あの剣聖の男が、底知れなさすぎる。

このままじゃ、おそらく負ける。


 少数精鋭であるヤツらを、大人数で叩くのはさすがに分が悪い。


「どうするー?サクラー」


「……んまぁ、色々考えてくれるだろ、偉い人達が」


 そう言って、顔を洗いに行った。

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