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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、戦いの中で生まれる者だ
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紫水晶のカプセル【カルカトス】

「……っうぅん……わかんねぇなぁ」


 剣でガツガツ突っついているが、特に何も傷一つさえもつかない。


 殴ってみても、腕が沈み込むだけ。

なんなら、殴った勢いが返ってきた。


「ちょっとこれマジでどうしよう……どうすれば壊せる?」


 魔王様の方を向く。


「範囲内なら、中から引きずり出せません?」


 固有スキルの話だ。


「それが、やってみましたが無理なんですよね……これが英雄の力ですか、それも、一万年前の英雄。

これでまだ全盛ではないというのが、空恐ろしい」


 確かにその通りだ、そして、取り出せないかあ……


「カッカルカトスー!?」


 上擦った声で俺を呼び付けるラジアン。ずっとこんな調子だ。


「んー?どうした?」


「それの壊し方わかった?」


「んや、全然分からない。

3人は分かりますか?これ、まるで壊れないんですけど」


「こちらからやって見ましたが、やはり拳が跳ね返され、竜にもなれません、多分押し返されて潰れます」


「デバフ使いの私にはちょっと荷が重いかな」


「切ったり燃やしたりしてるけど、特に反応がない。

そっちの方とタイミングを合わせてみるのはどうかな?」


 そうエンブラーさんが言ってくれた。

ならばお言葉に甘えて、コツコツと音のなるところをタイミングを合わせて、お互い剣を突き刺す!


 しかし結果はこのとおり、簡単に弾かれてしまった。


「……これは……魔王様、英雄譚ありますか!?クレイア サッサです!」


「クレイア サッサのものはありませんね

父のアルバナ ナルグに関してなら、大量にありますし、母のフェルメス サッサの物も沢山ありますが、クレイアの物はないです」


 ネルカートの図書館でいくつか見たんだがなぁ……!


「っくそ……っは!アレだ!」


 『擬神の瞳』があれば!そう思い立ち、水晶を見る。


『クレイア サッサの紫水晶

その水晶は果てしなく硬く、その硬さに限界はない、いかなる武具や、魔法、酸や毒に、滑落などの衝撃を加えられても傷一つつかない。

しかし、特定の条件を満たした時、破壊できるという』


「と、とくていのじょうけん……?」


 それに、これを見ただけでもめまいがしそうな程に頭が痛い。

この瞳、大して使えていないが、多分それは俺の使い方の問題だろう。

とりあえず皆に文をそのまま伝えた。


「その特定の条件ってなんだろーねー?」


「いや、わからんな……特定の条件って言葉があやふやすぎる。

例えば特別なスキルが必要だったりとかしたら、そもそも不可能かもしれないけど、例えば剣じゃなくて噛み砕くことは出来るとか、そういう方の条件なら可能性もあるけど……総当りするのもなぁ」


「……あのー、カルカトス様、我々を出すのに頭を使ってくださっているのはありがたいんですが、そもそも3日で開くと言っていました。

我々であれば死ぬことはまずありませんし、あと数日待って自然に開くのを待ってみては?」


「うーん、3日間も閉所に閉じ込められて精神持つか?

それに、もしもそれが嘘だったらどうしようってなるし……何よりも

俺たちはまたいつかあいつと戦うことになるから、その時になんの対抗策もなしにたたかえるほど、相手は弱くなかっただろ?」


 そういうと、ゴクリと喉を鳴らした音がしたあと


「なるほど、確かにそれはそうですね……では!引き続き頑張ってください!」


 おぉ、ナルヴァー、お前意外と楽観的な性格してんだな。


 さて、それにしても、どう破壊しようものか……

そんな話をみんなとしながら、答えを探そうと、会議をしていた時、ふと、ディスターヴさんが声を上げた。


「……っぐぇ」


 そんな、よく聞かないと聴き逃しそうな声と、そして、絶対に聞き逃さない大音量で


『ベキベキッ』『グチョッ』と音が鳴った。

その音は骨が砕ける音に酷似していて、肉をすり潰す音にも聞こえた。


「……ディスターヴ?」


 魔王様が、そう、紫のカプセルに声をかける。中身は見えない。

しかし、少しカプセルが動いた。

ググッと少し縮んだあと、急に大きく内側に吸い込まれるように、そして、水晶が裏返ったと言うべきか?


 花のように裏返り、そこから光の粒が舞う。


「……っえ!!?」


「ディスターヴ!!?」


「っ!?どうしたんですか!?」


「一体今の音はなんですか!?カルカトス君!」


「わ、わかりません!ただ、……まさか……時間制限!?」


 いや、そうだとしたら3人諸共殺されているかもしれない。

しかし、掌の上に置かれているのはすぐに察せられる。


 どうしたら、これが……いやもしかすると?


「『硬さに限界はない』……これか?」


「カルカトス?」



「……っ!よし!出来た!感覚を掴んだ!行けます!今なら本番でも、絶対にミスしません!」


 俺の近くに転がる岩たちは、不自然にねじれたり、粉々になったり、ぐちゃぐちゃになったりして、不気味な形をしていた。


 その中の一つが、ボロボロと灰になって消えていく。


「……行きますよ!」



 その後、無事に2人を救えた。

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