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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、戦いの中で生まれる者だ
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英雄【サクラ】

「……っなんだって!!?」


 朝一番、ラングの叫び声が私達を叩き起す。

隣の部屋で寝ていた私を叩き起すほどの声量。

そして少しした後


「はぁ!?えっ!?は!?」


 と、ライトの叫び声も聞こえてきた。

あの日頃冷静なライトらしからぬ、動揺した声だった。


 そんな声を聞いてしまえば、隣の部屋に飛び込むのもやむなしだろ?


「どうした2人とも!?」


「サクラ!これ見ろ!ってかお前はギルドカードちゃんと見ろ!」


 何の話だ?そう思いながらラングのギルドカードを渡される。


「何をそんなにあせ……っ……何?」


 事実かどうかはわからん……いや、こうして知らされているから真実なのだろ?


 にわかには信じ難いが……事実なのか?


「ソウルドが陥落した?いくらなんでも早すぎるだろ?」


 そもそもソウルドが魔界側に敵対の意志を示したのは、つい先日。

そして昨日の辺りに、魔界から最も近いソウルドの防衛だったり、魔界への侵攻の中継地点とするための話し合いとかが……そこでか?


「まさか、剣聖がソウルドに居ないことを確認して……いや、知っていたのか!?」


「そうとしか思えないけど……これは……誰かが情報を流しているんじゃないか?」


 みな唸り声を上げて、朝食の時間もすっ飛ばして色々と話し合い計画を練る。


「……っクソー!カルカトスは魔界側の奴だって言うし!最近グエルに連絡が取れねぇし!訳わかんねぇことばっかりだ!」


 頭を掻きむしりながら現状の意味不明さを再確認させてくる。


「……私、少し迷宮に潜ろうと思う……」


「?妙案が浮かんだのか?なら僕達も……」


「ダメだライト、これは私一人だけで行く」


「……おい、サクラ、何か考えがあってだよな?」


 ラングがそう私に問いかける。


「無論だ……人間に聞いた話だが、六十層以降は水没しているらしい」


「……?それで?」


「私なら別に水没していても関係ない、悠々と迷宮を潜れる、忘れたか?私は最強の種族、ドラゴンだぞ?」


「……カルカトスの言うことを、信じるのかい?」


「信じなくても、1度見て審議を確かめるのみ、それに仮にもあいつは確かな仲間だった。

私たちを見捨てたりなんて一度たりともしなかった……きっと、なにか理由があってのことなんだ……きっとな」


「わかったが……迷宮潜ってお前はどうするんだ?サクラ?」


「……貴様らは、守護者を覚えているだろう?」


 そう言うと2人とも少し表情が固くなる。


「ナプラの事もあったな……私たちは肌で感じている!

あの迷宮の恐ろしさを!守護者達の強さを!そして!古の英雄の!その強大さを!」


「知っているが……それがどうした?」


 ライトが静かに問う。


「だからこそ!私は七十層の守護者に『協力を申し出る』」


 その発言に2人とも口をポカーンと開けて意味がわからないと言った顔をした。


「っはは!面白い!流石はサクラ、奇想天外だな」


「おい!1人で行くのか!?守護者の強さを知っているとかの下りはなんだったんだ!?」


「まぁ落ち着け、守護者にも各々性格がある、聞けば二十層の守護者は一時的に協力的だったとか、五十層のあいつは人として終わっていたし、六十層のあいつらは恐ろしかった、だが!性格の問題だろ!英雄って呼ばれるほどの奴らは!皆心優しいやつがほとんどだ」


 1人は共存の街を……今や国か。

1人は仲間のために、そして次の未来のために共に戦ってくれた。

1人は話に聞けば童話を作った、その話は読んだことがある程だ。

1人は剣聖、剣を教えてやるほどに優しいやつだ。

1人は聖女だ、頭がおかしいが、その力は人のために振るわれていたと、そう記されていた。

1人は異形だ、しかし、どの童話を見ても悪人ではなかった。


 そうだろう?フレイ


『……ま、そう書かれてましたね』


「7人目の英雄が、英雄ならば、この危機を黙って見ておけないはずだ、だから私は、私にしかできないことをする……」


 そう言い切り、部屋の扉に手をかける。


「おい!どこに行くんだ?」


「長丁場が予想される……食料の買い込みに向かう」


 水と肉と、あとは……アイテムボックスに入るだけ買い込もう。


「っお、貴様らは……新米の……ナイトとラーンだったか」


「あぁ!覚えててくれたか!今日はどうしたんだ?朝いなかったじゃないか!」


「元気だな、貴様」


「ったりめーよ!」


「だが、その目で何を見た?随分濁っているぞ」


 頭をポンと叩き、横を抜け街へ向かう。

片手を上げて、少年に言葉を残す。


「時期に歴史に残る戦いが始まる……いや既に始まったあとだ。

火蓋は落とされた、貴様はどうする?」


 無論私は、その戦いで……いいだろう、貴様の望み通りなってやろうとも


 『人間の英雄』に

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