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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、戦いの中で生まれる者だ
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緊急召集

「……魔王様、ただいまカルカトス、参りました」


「おかえり2人とも、急に呼び出してごめんね」


 魔王城まで飛んでいって、魔王様が俺たちふたりを迎える。

ナルヴァーは相も変わらず書類整理を頑張っている。


「ナルヴァー、いつもお疲れ様、これお土産の紅茶」


「っ……はっ!?か、カルカトスさん!?い、いつの間にっ!?」


「集中しすぎだ、気負わずにな」


 そう言って背中をポスっと叩くが、俺はあまり手伝えてないから申し訳ない。

後で手伝うと言って、離れていく。


「魔王様には、ドライフルーツを。

またティータイムにでも、どうぞ」


「ありがとうございます」


「あのっ!魔王さま!」


「ん?どうしたの?アイビー」


「そのっ、少し話したいことがあって……2人だけで」


「……っ!?……あぁ、わかったよ……カルカトス、ラジアンの所にいっておいで」


「……はい」


 一瞬見せたあの顔はなんなのだろうか?

酷く焦っているような顔に見えたが……


 ナルヴァーに聞くと、大方修練所にいるだろうと言っていた。


「……おーい!ラジアン!」


 そういうと、首をグリンとこっちに向けて、走りよってくる。


「カルカトス!久しぶりぃ!!」


「相変わらずお前は元気だなぁ、少し会わない間に確かに大きく差をつけられたな……俺も負けてられねぇな」


 左手でグータッチを求めると、右手の篭手をつけた方の手でタッチしてくれる。


「カルカトスも、結構強くなってるね。

私の魔眼はさらにパワーアップ!何でも見ちゃうよー!?」


 なんて言ってこちらをじっと見つめると、青ざめる。


「か、カルカトス……ぎ、擬神の瞳ってまさか……しかも光魔法のその修練度合い……えっ?えぇ!?」


「し、知ってるのか!?このスキル!」


 どの本を見ても見つからなかったこのスキル。


「し、知ってるって言うか……初代ハイラーンが最も恐れていた相手、フレア メイ テンスって言う聖女の持つスキルのひとつ……全てを明かし、全てを理解する最高級のスキル。

カルカトス……今の君はまるで……初代聖女に勝るとも劣らない恐ろしい奴さ!」


 ウキウキが止まらない、目をきらきらさせて、剣を抜く。


「やろう!カルカトス……四天王が一人!『幻獣』!」


「やっぱりそうなるよなぁ!ラジアン……いや『横暴』!」


 何ひとつの容赦もなく、アズナスを引き抜く。

しかし、以前と抜き方が違う。


 ズズズと、何かとんでもなく長いか、重いものを引き抜く……よう……に……


「なんだよそれ……!?」


 夜を内包とかじゃない。

今はまだ真昼間だって言うのに何だこの威圧感。

恐ろしい程に力を感じる。


 しかし、その黒剣の見た目はいつもと変わらない。


「私は……来た……ついにね!ここまで来た!あともう少しで!『夜帝剣 アズナス』は、私が支配できる!歴史上において2人目の!完全調伏者に!」


「……凄いな……やっぱりお前は凄いやつだ!最強の名に恥じることは絶対にないんだろうな!」


 冷や汗を流しながら、俺は俺の中の最大級の賛美を送る。


「だったらどうするの!?カルカトス!」


 剣を抜き、そして笑う。


「『我は摘み取るもの』『終末論を綴るもの』『悪夢となり飲み込む』【限界突破(リミットブレイク)】剣聖の剣を、受けてみよ」


 相手が最強なら、俺も最強だ。


「いいねぇ!それならここは1つ、剣術勝負と行こうか!【自由で横暴な決闘(マイルールデスマッチ)】『剣術以外の使用を禁ずる』!」


 絶対的支配者にのみ許される場の蹂躙、横暴の限りを尽くすその固有スキル。


 発動時に、自動で発生する『逃げられない』という縛りは、視覚化され、黒い壁に覆われる。


 きっと乗り越えようとすればするほど高くなるこの壁はどこかラジアンを彷彿とさせる。


 真っ直ぐ剣をかまえ、ハウルの真似をしてみようか。


「ゾクゾクする立ち姿だね!

間違いなく、四十層の守護者の、あの時よりも研鑽されたよね!?」


 そう言いながら構えるラジアンの立ち姿は、その剣が最強だと理解して、そして信じている。


 次の瞬間、アズナスを投げつけてくる。


「っはぁ!?」


 その意味不明な行動と、意味不明な膂力による剣の投擲速度に驚き、そして間合いに入った瞬間に、たたき落としてやろうと、剣を振るった瞬間、アズナスが目の前から消えた。


 またも驚かされたが、剣は振ってしまった。


「おかえり!アズナス!」


 背後からそんな声が聞こえる。急いで足を広げ伏せる。


「わぉ!いい反応!さすがだね!」


「今なにしたっ!?」


 しかしこんな体制からでも、100%の動きができるのは、研鑽された剣術と、こいつに手は抜いていられない、全力の限界を超えた今だからこそできる。


「っそんなところから剣振れるの!?」


「俺の師匠は2人いるからな、2人とも凄い」


 剣を背後に振るう……しかし今度は前に?


「っどうなってるんだ!?」


「っははっ!カルカトス!これで終わりよ!」


 そう勝ち名乗りを上げながら、剣を振るう。

それぐらい受けれるわ!と剣を前に出すも、首元にチクリとした感触。


「……ま、まさか……」


 後ろを振り向く。

ラジアンがしてやったりと言った顔でニヤリと笑っていた。


「……ね?私の勝ち」


 お互い特にルールは決めていなかったが、前と一緒だとお互い理解していた。


「……お前、どんなま……」


 どんな魔法を使った?と聞きたかったが……こいつは自分で禁じていたじゃないか、剣術以外の使用を。


 素の身体能力、そして、限界を超えた俺でも追いつけない程の速度?


「驚いてくれたかな?」


「……またひとつ、大きな壁ができたみたいだ」


 ラジアンの手を取り、立ち上がる。


「次は負けないからな」


「望むところよ」

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