風呂!【サクラ】
「風呂湧いたぞー」
そう言って風呂の水を止めに行ったカルカトス
「お!そうか!ならアイビーよ一緒に入らないか?」
そう提案する私
「へっ?で!でも……」
そう言ってカルカトスの方を見る。
「俺はいいよ、2人でゆっくり入っておいで、テレビとか見ときたいし」
そう言ってなんでもなさそうに……いや、事実なんでもないのだろう、その様子は。
適当にコップに水を入れて、リビングのソファーへやってくる。
入れ替わるように私達も台所を通って風呂場へ赴く。
「それじゃ、悪いな、お先」
「お、お先〜……」
そう言って扉を閉めて、服を脱いで、前と同じようにカゴの中にぶち込む。
「?入ったことあるんですか?」
?あ、そうか、あの時はまだ家にいなかったな
「あぁ、そういえば言ってなかったか?
私は以前にこの家で風呂に入ったことがあってな、たしかあれは……そうそう、仲間が命を落としてな、墓参りの日に雨に降られて、カルカトスに進められた」
あの、忌まわしかった五十層の守護者と対峙したそのすぐの日だったな。
「へぇ、そうだったんですか……」
「そういえば、年はいくつだ?見たところカルカトスと同じぐらいに見えるのだが……どこか幼い印象を受けたものでな」
そう言うと、特に嫌そうな顔もせず
「15ですね、カルの一個下です」
「そうか、私とカルカトスは同い年でな16だ、時期に誕生日であるから私のの方が一足早いがな」
「へぇ!誕生日、いつなんですか?」
「4月1日だな」
「あれ?それだとカルの1歳したになりますよ?」
「へ?……あ!え?そうなるのか……!?」
なんて言いながらお互いシャワーを浴びながら話をする。
暖かくてきもちいいな……
「カルカトスとは仲がいいみたいだな」
唐突に投げかける。
「!えへへ、まぁ、そうですね……」
ニコニコと笑いながら、恥ずかしそうに頭をかいている。
「羨ましい、きっとお前たちは幸せになれるだろうな、私にはそんな気がするよ」
「そ、そうですか?……ありがとうございます」
礼を言われたが……
「………?……どうした?浮かない顔つきだが」
「……サクラさん、あなた、カルの相棒なんですよね?」
そう、深刻そうな顔で詰め寄ってくる。
「……そ、そうだな、それが?」
「……あなたに、私の秘密を伝えます。
もしも、私から伝えられなかった時のために、いいですか?」
「……あぁ、構わん」
そう言って、重々しく口を開き、話し始める。
「………です、これで以上です」
そう言い終えた後、私はどうしようもない怒りを覚えた。
「なぜだ?なぜなんだ?どうしてお前たちがそうなんだ?」
「……わかりません、でも私たちは……『………………』そう思いま…」
その言葉を返そうとした時、身体が反射的に、口を抑えさせていた。
「そんな訳ないだろう……!そんな者はただの1人もいないんだ、お前たちを含めてもだ、そんな訳ないだろ……!!」
そう言って、壁際に追い詰めるような形で、そう強く言い切る。
「す、すいません……あの、ありがとうございます」
そう言われると、途端に照れくさくなってしまった。
「い、いいんだ……当たり前のことだろ」
「……そうかもしれないですね……あ、サクラさん、いくつかいいですか?」
そう言いながら、2人で入るには少し狭い浴槽に浸かる。
「ん?なんだ?」
「サクラさんって、おっきいですよね!」
「……は?へ!?」
なんの話しか一瞬わからなかったが……やめろ!その手をワキワキさせるのを!?
「いいですよね〜、スタイル良くって、でも竜族、これは人の世界に溶け込みやすくするための仮初の体なのに、ほとんど年だって変わらないのに、なんで私のと違ってるんでしょうか?」
「さぁ、私にはわからんな」
「シアさんも、同じような感じで大きい人なんですけど、やっぱりわからないそうです、背の高い人にどうして大きいのかを尋ねるように答えは存在しないのかもしれませんが、どうして私は違うのでしょうか?」
「……あ!『悪夢魔術』は!?
カルカトスのやつあれで女性に化けたり、身体の色変えたりできるらしいぞ!?」
「それが出来ないんですよ私、彼は自身の体を変えるのとが得意なのに対して私は自分以外を変えるのが得意なんです。
あ、あともう1個お願いあるんですけどいいですか?」
「お、おう、どした?」
「はねとしっぽとつのさわらせてくれませんか!?」
「アイビー、貴様意外と好奇心旺盛なだけですまず、行動力に溢れているな?」
しかしまぁ、命を救われた恩がある、ここはあまんじて受け入れるとしよう
「さわらせてくれるんですか!?ありがとうございます!」
なでなで、グリグリ、コリコリ、さすさす、つんつん、色んな触り方をされた。
「の、のぼせる……風呂から上がらせてくれぇ……」
狭いせいで、私の上に乗っかるようにして湯船に浸かっていた。
そのせいでアイビーが満足いくまで抜けられないのだ。
私の体質が熱を内包しやすいというのがあるせいで、どうにも我慢が難しい。
「あ、すいません、じゃ、上がりましょうか」
その後リビングでぶっ倒れてカルカトスに緊急手当された




