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元気一杯

 兵士の入る寮の朝は早い。

朝早くから軽い運動をした後、朝食を食べる。


「「腹減った……!!」」


 俺もサクラも、傷を治すのに色々消耗したのか、やたらと腹が減る。


 朝ごはんのスープやパンを大量に食べる。

しかしマナーはしっかり守って食べる。


 辺りの目やざわつきは俺たちに向けられているものだ。


「朝から元気一杯だね、2人とも」


「んっ!?朝早くから来てたんですね、ハルマさん」


「バルバか、今日は早いな……宿題は終えたぞ」


 そう言って上から目線にサクラが笑う。


「ん、確かに終わらせてきたね、よしよし!あれぐらいの怪我なら一晩で治るなら今日は昨日よりも頑張るか」


 ニコッと笑うが、俺もサクラもサァッと血の気が引いた。

『ヤバい』と本能的に察したのだ。



「さて、それじゃ、今日も始めようか。かかっておいで!」


 言われずとも、俺もサクラも『同時に』地を蹴る。


 サクラが剣を振り上げた瞬間、俺は大きく加速して足元に剣を滑らせる。


「はぁっ!」


 振り下ろし、そして、足元の剣をどう避けるかと言うと


「うん、息があってるねぇ!」


 振り下ろされる大剣の軌道を少し叩いてずらし、足元の剣を軽く飛んで避ける。


 その瞬間、ずらされたがら空きのサクラに一突き伸びる。


「ここでカルカトス君がカバーに来れた……ら……おおっ!?」


 驚きの声を漏らすハルマさん。

その突きをサクラが深く体を沈めることで避ける。

昨日までにはなかった『回避』


「っずおりゃぁ!!」


 地面をえぐりながら木製の大剣が土石を飛ばしながら剣聖へ襲いかかる。


「はあっ!」


 その瞬間、俺もまた背後に周り、剣を捨て、掴みにかかる。


 しかしそれもバレていて、頭を捕まれ、圧倒的な腕力に振り回され、目の前にサクラの大剣が……


「それじゃまだダメだ!」


「避けろカルカトス!!」


「無理ぃ!!」


 『バコンッ』と押し付けられる力と、振り抜く力に挟まれて頭にとんでもない衝撃。


「ッ…………!っづ……!」


 頭を抑えて声にならない声が漏れる。

凄く痛い、鼻血が止まらない。


「す、すまんカルカトス……」


「謝ってる暇はないよっ!」


「おぐっ!!」


 こちらを向いた瞬間に、あっという間に距離を詰められ、みぞおちに剣の柄を刺され、肘で弾かれて加速した剣がサクラの首を的確に殴り飛ばした。


 昨日と違って、どちらとも本物の剣が相手なら即、死んでいた。


「うん、昨日よりもいい動きになってきているね

でも今度は俺の動きに対応するのが上手く出来なくなってきてる。

お互いの動きを見て動くんじゃない……そうだな……強いて言うならお互いの動きが分かるようにするんだ。

今日の初め、踏み込みの時は最高だった、あれだよ」


 そう言って絶賛するが、昨日と大して変わらず、俺たちが完敗している。


「だけど、まぁ仲間を思いやる気持ちはコンビを組む上で凄く大切だ、大事にするといい」


 そうとだけ言って、休憩時間。

俺は止血、サクラは打撲の回復。


 以前よりも明らかに回復するまでが早い気がする。

それは何かしらのコツを掴めたからなのだろうか?


 結局この日も傷一つつけることなく終わってしまった。


 そして、勝てるまで昔話については無しになった。

船の上でなら、話したいことも山ほどあるだろうからな。


 そういえばこの日の夜は別のことで驚かされた。


「へ!?大会って一般参加の部もあるの!?」


「あぁ、お前それも知らないのか……武闘祭って言ってな、ミスリル冒険者とも戦える二つとない機会だぞ」


「っまっじっかよぉ!?」


「まじだ……ドンマイだ」


 そんなことを言われて、夜を明かそうと、眠りについた。

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