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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
シルバーランクとダンジョンへ
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プレゼント

「……よし、今日はダンジョン探索はおやすみだ」


「え?そうなの?珍しい、何するの?」


「お金も溜まったからね、なんか買おっかなって……前言ってたあれもあるからね」


「あぁ、あれねー」


「それに、今日はあの日だからね……」


 あれというのはプレゼントのことである。


 髪止め……か、なにかいいもの見つけられるといいな。


「……ネルカートのこんな所に来るのは初めてだよ」


「まぁ、リョクの話聞く感じで大体わかってたよー、さ、行こ行こ」


「あぁ、行こう」


 地面に座り、布を広げ、そこに所狭しと並べられた商品たち。


 1ヶ月の真ん中ら辺で開催されるこの催し、名前は確か……『メモリーズ』だったっけ?


 人によっては思い入れのあるものや、どこかの誰かが作った、未来ある誰かの作った何か、それが売っている。


 誰かの思い出に、そんな思いを込めて作られたりしたらしい。


「……髪留め髪留め……」


 シアさんの髪は金色……青い色の目……白魔道士……まぁ、ビビッと来るものにしよう。


 そんな感じでフラリフラリとエンと話しながら歩いていると……見覚えのある顔が見えた。


「……あ、グエルさん」


「……あ、カルカトスさん、お久しぶりですね、1週間ぶり……でしょうか?」


「ははっ、そうだね、あの時はまさか同じタイミングで昇格してたなんて思わなかったよ」


「……私もです、ダンジョン攻略、順調ですか?」


「今は6層までいけたよ」


「!誰かのパーティーに入ったんですか?」


「……いや、今は1人だね」


「……それは、凄いですね、私達はパーティー組んで今は……7層ですね」


「!やっぱりパーティー組んだ方が効率的だね」


「えぇ、あ、7層には少し強い、いわゆる『中ボス』がいますのでお気をつけて」


「!それはいいことを聞いたね、ありがとう」


「いえいえ……同じ同期じゃないですか」


「そうだね、ありがとう……そういえばどうして今日ここに?」


「私のパーティーメンバーにはお世話になってますからね、なにか、贈り物でも……と思って」


「なるほど」


 なんて話をしながら歩いていると……いいものを見つけた。


 白を基調とした中に、金色の線と青い小さな……宝石?のはめられた髪留め。


 いや、あれだけオシャレだと髪飾りに近いかもしれない。


「……いいもの、見つけたんですか?」


「はい、いい贈り物見つけたんですよ

すいません、これ、ください」


「お兄さん、贈り物かい?」


 おじいさんが気さくに訪ねてくれる。


「はい、お世話になった人がいるものですから」


「そうかそうか、なら、紙袋持っていきなされ」


 ネルカートの国のマーク……盾をバックに斜め向きに直剣がかかったマークの着いた紙袋に、その髪留めを優しくいれる。


「お値段は?」


「金貨1枚で、構わんよ」


 破格の値段で譲っていただいた。


「ヘアクリップ……女性の方への贈り物ですか?」


「ヘアクリップって言うんだ、これ

そうですね、これをとある女性に」


「……いいセンスしてると思います、それ、魔力がこもっていますね」


「……へ?そうなの?」


「僅かですけどね……でも、ほんの少し、その人の助けになれるかもですね」


「……ヴェーラさん、ありがとうございます、良ければ探すのお手伝いしましょうか?」


「……大丈夫です、もう見つけましたから……今は私の趣味用の本を探してますので」


「あぁ、なるほど」


「また、ダンジョンでお会いしたら……私の仲間たちをご紹介しますね」


「えぇ、楽しみにしています」


 いい買い物をした、ホクホク顔で教会へ向かう。

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