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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄トハ、覚悟ト勇気ニ溢レル者ダ
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置いていかれた冒険者【アーガン】

「……ど、どうしようか……?」


 そう疑問符を浮かべるも、いつもの仲間、フメテアパーティーは俺以外みんな異界交流……アモラスが言い出したのは意外だったし、みんな行くみたいだったけど……初対面の人たくさんいる所に行くのちょっと……やだなぁってなってそれで行くのやめておくっていったら『やっぱり?』って言われたから家の掃除していたら今日の朝からいきなりなんか事件起きるし、最強の冒険者やその他新人ながらも大活躍を続ける後輩たちや勇者だったり……俺いらないんじゃないのかな?っていうかならば俺はなんでこんなところにいるのだろうか?異世界の勇者のカノさんも既に降りていっている……俺も行かなくては、ここにいるたくさんの冒険者たちの中では強い方なのだからこそ、俺も前に出て戦わないと、他のみんなにいつまでも頼っていられないんだ、メソメソしてるとテイルにまた叱られちゃう。


「……よし、行こうか」


 長い自分との会話を終えて、足を踏み出す。

転移をする。場所は五十層。


「……頑張るぞ、俺」


 上には戦力にもならない、ただの人々がいる。

いつもの生活を脅かされている。

俺は英雄なんてかっこいいものになれはしない。


「……む?その転移魔法、やはりここに来る者もいたわけか」


「……マジかよ」


 いきなり鉢合わせてしまった。

幸いあのだだっ広い五十層の真ん中にいるお掛けで距離がある。

身体が炎でできているな……包帯に身体を包んでいるが、実体はないと見た。


「いくぞ、勇気あるものよ」


「そんなものは無いよ……ただ、準備する間もないだけ」


 短剣を2本抜き、クルッと回す。


「だろうな、目で分かる」


 そういうと、この距離で腕を前に伸ばす。

伸びてきて、俺を捕まえようとする。

ギリギリ避けて気づいた。

この体に存在している熱量に、当たれば死ぬという事実に。


「……マジかよ」


 超リーチと即死攻撃、実態はないだろうが、俺は魔法が苦手だ。


「勝てないな……こいつには」


 ごめんアモラス、ファクト、テイル、俺死ぬかも。

メリッサごめんよー、時期にそっち行くかも。


「っ!すばしっこいな」


 逃げている。ただ避けて時間を稼いでいる。

しかし、同時に、こいつは俺が倒さなければいけないのだとつくづく感じる。


「……俺も土壇場で固有スキルとか目覚めねぇかな……たはは」


 なんてことを呟きながら攻撃を避ける。

あぁ、あのムチ攻撃早いなぁ、範囲も広いし、予備動作も少ない。すごく避けづらそうだ。


「はぁ……他にはやれそうなのはフォルテさんだけだしなぁ『プラチナランク冒険者』その意地を見せてやりますか」


 カルカトスくんのおかげで、上がれたプラチナランク、給料も大幅に上がったし、前よりも楽な暮らしになってきたが……失ったものは大きかった。


 より強くなるために、こういうのは嫌なんだが、お金にものを言わせてとあるものを取寄せた。


 ある日の生誕祭の戦いを見ていて、剣から魔法を出す女性がいた。


 あんなふうに魔力が籠った剣ならば、物理の効かない相手にも有効打を与えられる。


 ずっと買おうと思っていたが金がなかった。


「お披露目の日だ『レーゲンボーゲン』」


 短い探検の中に、覗き込めば無限に続いていそうな虹の浮かぶ青い刀身。


 もう片方の探検は、アモラスから貰った1本の短剣。

小さい頃のあの子の命の支え、俺に預けてくれた。

度重なる強化を得て、今や俺の命の支えだ。


「これに勝ったら、アモラスに好きって言おうかな」


 どうせ、短命って言われている冒険者だ、いつか死んでしまう前に言いたいな。愛してるって

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