六十層の街並み
「……っへ?……な、なんだこれ……!?」
トントン拍子、誰も邪魔をすることなく、降り続けた階段の先……まだ転移装置さえないこの六十層に……街がある。
人はいない……町は言い過ぎか?村程度の小さな、しかし生活感を感じるこの回想。
何者だ?ここの守護者は。
「か、カルさん、迷宮って不思議なところですね」
「あぁ、俺もびっくりしている」
「……カルさん、守護者はどこに?」
「……時期に現れるはずだ、油断するな、そして行けるのなら、六十層の先……っ!」
咄嗟に、アイビーの前に出る。
今度は奇襲じゃない、守護者の……古の英雄の召喚。
その存在感に気づかない俺ではない。
「……おやオヤ、流石に慣れてキタカナ?」
音が、声ではなく、音が話しているとしか表現出来ない、楽器の音を絶対音感を持つ人間は言葉に聞こえると聞くが、それどころじゃない。
なんか変な気分になる。
そんな言葉?を使うのは体が……楽器のような、フルートのような縦長の楽器、その先に光の玉があり、それが言葉を奏でている。
「……おいおい嘘だろ……!?」
しかし、問題はそこではない、1人では無いのだ……1、2……4人……4体?
「よぉーし、俺ちゃん張りきっちまうぜ〜!」
初めに見た楽器マンに似た光の玉が浮いており、人の顔の代わりにか、ニコニコマークが書かれた紙を顔に着けている。
あと、背中から伸びる2匹の白蛇。
「作戦通りにやるんだ……」
先の2体と違って車椅子に座る細身の何か。
先のとがった特殊な仮面をつけており、その車椅子を押す手は手首から先がない。
「我々もついに出番が回って来たわけだ」
包帯をつけた大男……に見えるがその包帯の中は赤い炎に包まれている。
いや違う、炎そのものに包帯がまとわりついているだけだ。
「ソレジャア、初めヨウカァ!」
そういうと、楽器マン以外が動き出し、上の階層へちっていく。
「……な、何を!?」
意図がわからず、聞く他なかった。
「何ヲ?ソレハ簡単さ、迷宮トハ、モンスターが人を襲うのダ」
「……まさか」
「60層から1層まデ、我々『サーラー』が頂イタ!
いズれむ地上ニサエも攻撃を始める……!!」
サーラー、ディンの言っていた予想は現実になった。
絵本の中の英雄たちが、4手に別れて人々を襲う。
「……ど、どういう意味ですか?カルさん?」
心底分からないと言った様子のアイビー、しかし俺はもう慣れてきたのかわかってきた。
「多分、各階層で暴れるつもりだろう。
自分たちを倒して止めて見ろってわけだ……それが奴らの」
「そウサ、ソレが、我々の」
「「試練であり未練、そして英雄だと証明させることが目的だ」」




