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別れと昇格

「いやー!カルカトス……君、強いね」


「……貴方ほどじゃありませんよ」


「ふふっ、急に敬語になっちゃって……同じ未来あるオソロっちのよしみだよ、これ、上げる」


 手に填めていた俺を苦しめ続けた篭手を取り、渡す


「左手だけ、あげる……いつか、私からもう片方を取りにおいで……その時まで私は負けたりしないから」


「……名前、なんて言うんですか?」


「!確かに、君だけ知られているのも不公平だしね……『ラジアン』『魔王軍 四天王 横暴のラジアン』覚えておきなさい、カルカトス、次は負けないから」


「四天王……!?」


「私の髪と目であらかた想像は着いたでしょ?『原初の魔族』って呼ばれる2人の魔族にかなり近い、いわゆる先祖返りをしたのよ、私」


「……『原初の魔族』……あれか」


「そう、それ、でもねー私は別に大層な夢は無いのよ……『ただ楽しく』それだけよ、じゃあねカルカトス」


「あぁ、さよなら、ラジアン」


 手を振る彼女に振り返してやるとケラケラと嬉しそうに笑いながら、飛んでいく……


「羽があるって、どんな気持ちなんだろうな」


「飛びたいのか?カル」


「まぁ……ね」


 羽が生えていたら、きっと見る世界は違うんだろうな。


 昇る太陽も、沈む月も、満天の星空も、どんな誰よりも特等席に、誰にも譲る必要のない『空中』という特等席を我がものとできる……いいなぁ。



「あら、おかえりなさい……思っていたよりも遅かったですね、見つけるのに手間取りましたか?」


 スケルトンソルジャーの首を掲げながら森の外に出ると、意外そうな顔で赤い帽子のお姉さんが言った。


「えぇ、そんな所です」


 ローブはしっかりとつけ直している……あの魔族のことは、ラジアンのことは秘密だ。


 俺は決して人の味方ではない……むしろ、好きな人以外は嫌いだ。


 わざわざ助けてやるほど、俺は優しくはない。


「それでは、カルカトスさん、貴方をシルバーランクへ昇格致します」


「!ありがとうございます!」


「良かったな、これで『大迷宮(ダンジョン)』に行けるぞ」


『うん!』


「それでは頑張ってくださいね」


「はい!」

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