表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
アレとコレの間
245/499

格上

「……筆記100点、実技100点、アンデッドの希少種『リッチロード』」


 ロードは統べるもの、リッチを統べるものってことかな?


「……失礼、いるか?」


 扉をノックする。

生後1ヶ月と短い期間ではあるが、その実力や記憶は世代を超え継承されているらしい。


「……あぁ、はい」


 扉を開き、中からは骸骨が出てくる。

真昼間からこんな髑髏と顔を合わせるとは……顔写真がなければびっくりしていただろう。

ボロボロのローブは初期衣装なのかな?


「どうも、四天王のカルカトスです、昨日お配りした紙の通り面接に来ました」


「あぁ、あなたがあの……ふむ、どうぞ中へ」


 中へ案内される。

まぁまぁいい家だ、一般人でも住めそうな程に。


「お茶を淹れますね」


「あぁ、ありがとう」


 アンデッドに茶を淹れてもらえるとは。


「どうぞ」


 普通の紅茶だな。


「それで?1つ、やる気はあるか?」


「無論、魔王様にお仕えできるのであれば、この身捧げる次第です」


 捧げる身はなさそうだな……と思いながら茶を口に含む。

ギャグのつもりなのかな?


「そうか、戦いは?何が出来る?」


「魔法から近接戦闘まで」


「!近接もか?」


「えぇ、このカマで」


 くたびれた黒ローブの中から、そんなにでかいカマは入らないはずなのに、ぬっと出てきた。


「……なぁ、なんで入れなかったんだ?お前なら落ちることないと思うんだが」


 そもそも、満点なのはこいつだけ、ラジアンの所なら受け入れるだろうに。

名前の所が空欄なせいでこいつとしか呼べない。


「ラジアン様には『あぁ、こっちはいっぱいだからなぁ』とナルヴァー様は『コンセプトにあってない』ミリア様は『血がないからやだ』と皆々様に断られました……」


 落ち込まないでくれよ……


「そ、そうか、まぁ俺のところで良かったら受け入れるぞ?」


「!本当ですか!?」


「まぁな、面接もそのためだし」


「ありがとうございます、カルカトス様の元で粉骨砕身の精神で精進させていただきます!」


 それはお前にとっては重症ではないだろうか?


「あぁ、程々にな……っと、話は変わるが、お前相当強いだろ?」


 そう問いかけると、平然とした顔でこう答えた。


「えぇ、まぁラジアン様やあなたよりかは強いですかね?」


 その発言……本当だと疑うのを頭の中から無意識に辞めてしまうほどにうなずけた。


「まぁ……何となく察していた」


「代々、我々リッチは森の中でやかましいミノタウロスを旗印にひっそりと暮らしていました。

リッチロードともなれば魔界の森ほど居心地いいところは無いのです。

私はあの森を形成している魔界の王に恩返しがしたくて、先祖分も頑張るぞ、と息巻いて来たのですが、四天王はいっぱいで入る隙間もない……誠に残念な限りでした」


 まぁ、強いしすぐにでもなれるだろうな


「俺が死んだら代わりに頼むな」


「あなたが死んだら、また私の死霊魔術でお会いしましょうね」


「そういうのもできるんだ」


「えぇ、私は統べるものなのですから」


 死後も魂を拘束できるのか……絵本の中の死神みたいなやつだ、カマ持ってるし。


「ま、またよろしく頼むよ」


「えぇ、またお呼びください」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ