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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
アレとコレの間
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ユウジ伝説【カノ】

 俺の名前はカノ、彼野 勇次。

彼野家次男として生まれた、現在17歳。


 身長はだいたい170、体重は50ぐらい。

別段人生で困ったことの無い、いわゆる何不自由のない人生を送ってきていたはずだった。


 目の前に、自らを『聖女』や『王』と名乗るイタイ人達。

日本語を流暢に話す王様なんているのだろうか?


 変な宗教団体にさらわれた、そう思っていたが……西洋風の鎧の数々、ここが日本で無いのは何となくわかるが……前後の記憶があやふやだ……


 何でも俺はこの世界を救う為に勇者として呼ばれたらしい。


 その割には平和そうに見えるが……なんだ?近い将来何かが起こる暗示でもあったのだろうか?


 事前に対処しようとするその心意気はいいが巻き込まないでいただきたい。


 帰る方法は知らないという無責任っぷりだが、魔王なら知っている可能性があるらしい。


 RPGでは良く対比される勇者と魔王。

召喚された勇者の俺なら、魔王は帰してくれる存在なのだろうか?


 魔法や剣術、魔法具なんて便利グッズ。

家の作りは現代家屋と遜色ないもの、以前にやってきた俺たちのような人物を総称して、異世界人。

それが教えてくれたらしい。


 仲間には英雄の血族や剣聖って言う人を代々支えてきた一族の人や、聖女……およそ考えうる最高のパーティというわけか?


 そんな至れり尽くせりの条件下で、俺は今迷宮に来ている。


 何でも新しく出来たらしく、全部で100層あるという。

ゲームとしてはありがちな深さだが、この世界では異例の自体らしい。

まぁ、完全にエンドコンテンツの領域だからなぁ。


 そんな中、俺は、俺の固有スキルに気がついた。

それは《三度目の正直(サードチャンス)》。

一日の間に、3度までなら、命を落としてもその日の初めに戻ってこれるという。


 そして、勇者らしいデバフや神経攻撃無効の優秀耐性。

恐怖無効や痛覚無効、呪い無効にこの固有スキルは相性がいい。


 呪いの中には魂さえも拘束するものがあるらしく、それをされたら例え転生してもその呪いに蝕まれるとか……怖っ。


 だが、そのおかげで最高効率、最高速で迷宮をもぐる。


 1〜10層は俺一人で突っ走る。

11〜20層は聖女様とエルフさんと一緒に突っ切る。

21〜30層は騎士様の博識で乗り切る。

31〜40層は無視して突っ走る。

41〜50層は気をつけながら行くことにして2度目の命で強い鹿に出会った。


 3回目はこれに気をつけようと思いながら、敗北を予想していると、1人の男が助けてくれた。


 騎士様曰く凄い人らしい。


 そんな彼も同じ探索者、俺たちよりもさらに深くをたった1人で潜り続ける。


 そんな彼を鑑定眼で見てみる。

スキルやステータスまでは見れないが、名前や性別、種族に称号なら見れる。


 それを見て驚いた。

ここまでの全ての守護者を倒していて、性別不明、種族不明と来た。

人間ではないらしい。流石は異世界。


 次に彼と接触できた五十層の守護者との戦いに俺達も参加したが、2回やって2回死んだ。


 あれは勝てない、俺じゃ役不足だと痛感し、その日は別の用事を作って死亡を回避した。


 後に彼が仲間を全員失った話を聞いた。


「ユウジ様、今日はどうしますか?」


「いつも通り迷宮でLv上げだな」


 今はただ力を蓄えよう。


 何度やってもあの男には勝てそうになかったから。

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