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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄?そんなのどうでもいいです
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悪い聖女サマ【フレア】

「……さて、私の出番ですね『皆さん』」


「がんばレ」


「早く行ってください……」


「ばいばい!いい思い出を!」


「じゃあな!性悪!」


「……約束は守れよ?」


 四者四様……いや、五者五様の言葉を受け、五十層の守護者行きます。


「はい、さよならみなさん……約束は覚えてますよ……ふへへっ、悪いこと考えちゃったぁ」


「……ま、悪巧みでお前の右に出るやつはいないからな、いってこい」


 そう『あなた』が言って、私も計画を胸の中で復唱。


「……はい!」



 私たちの期待の英雄はこの少年。

共に歩き回り、世界を教えて貰った。


 図書館に潜り、一日で全てを読み切り暗記させる。


「結構変わってますねぇ、まさか私が善人として描かれるとは……そりゃああの優しい彼らの子孫も怒りますよね」


 こんなにも美化されてるとは、当事者としては気味が悪いほど。


「しっかし、運命ってのはイタズラ好きですよ……まっさかあの人のアイテムが見つかるなんて……これもあなたの策略ですかね?心臓に悪い……」


 独り言を呟きながら、デュラハンにしたのと同じように色々生物に聖呪を打ち込む。


「はい、これで完成っと……疲れるなぁ」


 これらを起動させて、地上をめちゃくちゃに、歩き回ってる間に転移先もマーク済み、不特定多数、化け物を乱立させれば多少ダメージはあるはず。


 そう思っていましたが、『ミスリル級』冒険者……まさかこんなに恐ろしいとは。


「フレイさんもシュプ フングさん興味あるの?」


 忌々しげに新聞を見ていると英雄が声をかけてきた。


「えぇ、凄いですよね、我々のてこずったデュラハンと同様の事件を何件も解決」


「ですね〜、やっぱり俺達もまだまだ頑張らなきゃだ

ミスリル級の人たちは世間では災害だなんて呼ばれ方をして大会に呼んでもらえなかったりする可哀想な人達ですけど、ほんと、異常事態にはこれほど頼りになる人達はいませんよ!」


「……でた、リーダーの冒険者オタク」


「オタっ……オタクってディンお前なぁ……」


 私が本で読んだ内容を、自分の意見を混じえながら返してくる。

冒険者が好きなのは知っていたが、まさかここまでとは。


「ははっ、そうですね」


 今はこの生活を楽しもう。

私の第1計画は化け物たちに阻止された訳だが、まぁもちろんセカンドプランはある。



「最悪1人は落としてみせます」


 五十層の守護者……半分のその節目、与えられた任務は先の4人とはわけが違います。


「しかしあなたも酷い人だ。

私たちレベルの化け物に『本気で潰せ、やり方は自由に』なんて……先の4人は優しい人たちだから進んででてくれましたが、まさかクロンさんが出るなんて意外でしたねぇー、違いますか?」


 『何を言ってるのか分からない』って顔で私を見る人間と魔族。


「あなたは貴族、そしてあなたは……魔族!

今からあなた達にはささやかな戦争の引き金を引いて頂きます」


 優しく魔族の頭に触れる。


「ひ、ひぃ!!?」


 寄るな、触るなと腕を振るい私を攻撃する。

腕が消し飛ぶ、やはりこの魔族強い。


「この身体もろいんだからやめてくださいよぉ」


 だが、再生力はいつも通り。


 紙にこの魔族の文字で遺書を書いてもらう。

準備はもうできているから作動する。


「これではスパイ件暗殺者の完成!

魔剣を2本も保持していた武闘派貴族の貴方は国の聖騎士たちを動かす力も少しはありますから、ターゲットにさせて頂きました」


「っんー!!んんん!!!」


 口は塞いでいるのによく叫びますね。


「ではあなた、この男性を『殺しなさい』」


 遺書を書き終え、宙に留まっていた手が腰の剣に触れ、抜き、命令通り突き刺す。


「『何度も』!『何度も』!!」


 数度の痙攣、口紐が赤く染まり、血溜まりができた。


「お疲れ様でした……では『自害してください』」


 心臓に剣を一刺し。


『ガルスター卿の行方不明事件は、魔族の暗殺とその後の自害によって幕を下ろした。

現場には人と魔族の手を取り合う今を強く恨む遺書が発見されたとのこと。7月21日 朝刊より』


 その新聞を片手に満足げに笑い、焼く。



「んお、フレイさんよ、新聞見たかー?」


 朝食中、探しているようだ。


 ジャンパーさん。ウェイスさんかな?


「いいえ……今日はお休みですかね?」


「はー、俺と同じぐらい無責任だな、おい」


「あらあら、それでは商売上がったりでは?」


 そういうと苦い顔をして


「それはひでぇよ……否定はしないけどさ」


「ふふっ、ちゃんと頼りにしてますよ」


「ん、サンキュ」


 私の言う英雄たり得るのはあなただけですよ、ウェイス アンダーバード。


『英雄?そんなのどうでもいいです、それよりも早く連れていってください』


 今なら、あの時のあなたの問いに、しっかりと答えを提示できます。


「楽観的で、お人好し、絵に書いたような善人……それが……英雄……」


「なんか言った?」


「へっ!?いいえ!?」


 ヤバっ声に出てた。


「?そっか?……ま、飯食おうぜ、 ……おい!?デクター!取るなよ俺のチーズ!」


「へーん!食うのが遅い!ジャンパー!」


 そして


「そして……愛している人がいる事」

これにておしまい。

長かったですね、これからもっと長くしていきます!

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