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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄?そんなのどうでもいいです
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サプライズ

「失礼、貴方が噂の騎士、デクター様で間違いないか?」


 仮面をつけ、1歩1歩歩み寄りながら質問する。

声のトーンから女性のように聞こえるが、上背はデクター、君を超える。


 身体の筋肉の付き方も並大抵でないことは君もわかるだろう。

間違いなく強敵だと言えるはずだ。


 使う剣技はミラン ダリン流。


「……如何にも、私がデクターだ、貴方は?」


「私は『カトス・トルフィー』貴方と剣を交えに来た者だ」


「受けて立つ、感謝する私は今より強くならなくては行けないんだ」


 そう言って剣を構え、肉薄するデクター。

構えるとも構えないとも言えるこの『構え』ミランの構えは意外と身体にあっているかもしれない。


「……ほう、力強い……」


 なんて余裕ぶってるが予想を遥かに上回る腕力!?

木剣同士でぶつかった音じゃねぇぞ!?


「はあぁ!」


「真っ向勝負は勝てんな」


 横にずれ、距離を取り、そして構えを変える。

ミランの剣技は後手に回る……最高速の後の先、それがまだできない俺には手に余る。


 剣先を地面に、柄は顎の辺りまで引き上げる。

攻めの姿勢、この構えこそ俺だ。


「……貴様……!その構え誰に教わった!?」


「私の我流だ」


「貴様に扱い切れるものか!!」


「試してみるがいい」


 距離を詰め、切り上げる。

ここはいつも通り、軽く避けられた。

……知ってるもんな、デクター


 ここからが真骨頂。

武器は捨てない、ミラン流剣術の再開だ。


「っ!面白い……!」


 不規則なその軌道を完璧に初見で見切られた……デクターお前なんか覚醒してないか?


「だが!その程度では挫けん!」


 突きの構え……回避を……はやっ!?


「受け止め……」


「無駄だァ!」


 俺の木剣だけを突き破り、腹部に木剣が突き刺さる。


「っがはっ!?……ぞ、臓腑が飛び出るかと思った……!」


「……勝負ありだな……」


 ぺこりと頭を下げる。

そして手を差し伸べる。


 その手につかまり、立ち上がる。


「もう一度聞く……誰にその剣教わった?2つとも見覚えがあるぞ」


 仮面の下で整体を戻し、身長も戻す。

仮面を外しそして質問に答える。


「我流だ……前に言っただろ?デクター」


「………」


「で、デクター?反応してもらえると嬉しいな……」


 目が点になっている……どうしたものか?


「……………ぴゅえっ?」


 そんな意味のわからない言葉を吐きながら……ぶっ倒れた。


「……し、ショートした……」


 担ぐやつが1人多くなってしまった。


「ギルマス、どうもありがとうございました、こいつら背負って家まで帰ってます」


「あぁ、気をつけてな」


 2人背負って家まで帰るのはちょっと恥ずかしかった。


「……ただいま……我が家」


 まずやることは……


「風呂!」

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