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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄?そんなのどうでもいいです
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ワインウィンドは写真屋さん

「お酒飲みすぎた……」


 ダンスを眺めながら飲んでいたら知らない間にかなりの量を飲んでいた。


 さっきのお店で貰ったクーポン片手にワインウィンドへ足を運ぶ。


「ワインは麦酒とかとは違うんだからあんなに飲んだらそうなるよ……」


「そうだね……ちょっとまってて、アルコール分解してくる……」


「そんなのできるの!?」


「分からない……けど多分毒物を分解する機関を体の中に作り出せば行けると思う……うっぷ」


 そう言って、裏路地に入り、誰にも見られていないことを確認し身体の形を変える。


 内蔵だけにとどめるつもりだが、場合によってはかなり変貌する可能性がある……


 2分ほどした後、アルコールは完全に分解した。


 ベースの素材にそういうことが出来る生き物もいてよかった。


「ただいま、元通りだよ」


「本当だ、ケロッとしてる……」


「ははっ、人間じゃないからね、そこら辺は」


「……やっぱり、そうなんだね」


「まぁね……でも、見た目は人間なんだ……フロウの言う人間って何?」


「私の思う人間?……こうやって、一緒に笑い合える相手かな?」


「まるで友達だね」


「あ、そっか……人間……」


 うーんと唸り、答えが見つからない様子だ。


「……また、答え聞かせてよ、いつでも待ってるから、でもその時は……俺の目の前で、言葉で伝えて、どんな答えでも」


「うん!ちなみにカルカトス言う人間って?」


「人の形をしているもの、だね」


「中身は関係ないの?人間らしいってあるけど」


「人間らしくない考え方や、人間味のないやつも、困ったことに俺よりも人間なんだ……だから、それでいい」


「……へぇ、でも、私はカルカトスの方が人間らしいけどな」


「そう?……へへっ、ありがと………?」


 違和感を感じた。


「?どうしたの?」


「……いや……っははっ……」


 正体がわかった。


「俺って、人間に憧れてたんだな……なりたかったんだ……あははっ……」


 身体が少し震える……その背中をポンと叩かれる。


「『カル』行こっか」


 随分と懐かしい響きだ……もう、随分そう呼ばれていない気がする……


「……うん、ごめん、足止めて」


「いいってば」


 ワインウィンドへ到着する。

青い髪の丸い眼鏡をかけた吸血鬼がこの店を経営している。


「ここは写真屋さ、1枚取るかい?……いや、2枚かな?」


「はい、お願いします」


 ふふっと優しく笑う。


「もう少し近づいてくれ、上手く収まらない」


「あ、はい」


 思った以上に距離を縮める。


 シャッターを切る音が何度か響く。


「……うん、いい写真だ……どうぞ、ついでに写真立てもどう?」


 商魂の強い人だ、乗せられてみよう


「なら、お願いします」


「まいどあり、どうぞ」



「……これで終わりか……意外と早かったね」


 フロウが夜道を歩きながらそういう。


「終わりか……確かに早かったな……なぁ、フロウ」


「ん?」


「俺のおすすめスポットに行こうよ、最後に」


「!いいね、お願い」


「了解」


 サジェントス花畑へ足を運ぶ

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