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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄?そんなのどうでもいいです
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約束を守る日【カルカトス】

「……ん?」


「お?どしたよリーダー」


 デュラハンの件について、最近の俺たちは迷宮探索よりも、そっちの件の解決に勤しんでいる……のだが


「……ギルドマスターから……四天王のラジアンがデュラハンの捕獲に向かって、無事成功……報告を待つように……ってさ」


「……あー、つまり?」


「俺たちの仕事は無駄!今から魔王軍の知識人がこぞって俺たちが時間をかけて調べたことをあっという間に解き明かしてくれるだろうさ」


「……まじかよぉ!!??」


「……いい事なのに、上手くいかなくて残念……」


「まーいーじゃねぇか!知らないこといっぱいあったしさ!デュラハンだったりのアンデットには今度から強く立ち回れるさ!暗き森に平和をもう一度取り戻しに行こう!」


 笑顔でディンが俺たちを鼓舞する……が、も引き攣っている。

我々は睡眠時間やお金稼ぎを削っていたのだから……そして、ディンにまたひとつ悪い知らせがある。


「……その暗き森のデュラハンは撲滅したってさ……」


「っ!……っなら!……なら……ちょっと寝てくる……」


「……あぁ、そうだな、そうしようか……今日はお開きだ」


 とぼとぼと歩いていく……宿へ向かって仮眠でもとろうか……昼間から俺たちのパーティーは暗い雰囲気だ。


 宿で眠りにつこうと仮面を置き、ベットに体を沈める……と、メールが来た。


「……あ、フロウさんからか」


『以前の試合での賭けの件、覚えておいででしょうか、よろしければこの後時間があれば、私に少し付き合ってください』


 今日は暇だったし……うん。

仮面を付け直す。


『いいよ、どこで集まろうか?』


 そう打ち返すと返事は直ぐに来た。


『本当ですか!?なら!迷宮近くの酒場の前にいます!鳥の羽のマークのある所です!』


「鳥の羽……ウィンドミルの酒場かな……行こうか……!」


 用事が出来た!きっと他の4人は暇で時間をもてあましてるんだろうなぁー


 服を少しばかり綺麗なものにし、つけ直した仮面を外す……顔をおおやけにする練習だ……!


 ウィンドミルの酒場に向かうと、そこに柔らかい緑色の髪をツインテールにした女性が1人、腰に剣は下げておらず、白いシャツに長めのスカートを履いている。


「!カルカトスさん!」


「フロウさん、久しぶり」


「今日は顔、隠さないんだね」


「せっかくのオフの日なんだ、一緒に楽しみたいからね、表情が見えるぐらいがいいんだ」


「そうだね、、髪も切ったみたいだし、前の長い髪は女の人っぽかったし、そっちの方が私はかっこいいと思うよ」


 そう言いながら、俺の横に立ち、少し先を歩き始める。

置いていかれないように、少し遅れて歩を進める。


「どこに行くんだ?」


「さぁ?こういうのってどこに行ったらいいのか分からないから、パーティーの皆にいい所教えて貰ったんですよ」


 紙をヒラヒラさせながら、そう伝える。


「へぇ、それは楽しそうだ……それじゃ、今日は風の勇者フロウにネルカートを楽しめるいい場所とやらを教えてもらおうか」


「今日の私は風の勇者じゃありません……ただのカルカトスと一緒に歩くただのフロウですよ」


 そうニコッと笑いながら話す。


「なるほどね?」


 長く楽しい一日が始まる予感がした。

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