試験結果
「……それでは、これをもって試験を終了とします、皆様明日またここを尋ねてください、試験結果の方をお伝え致しますので」
赤い帽子のお姉さんがそういうと各自、バラバラになる……と思いきや、意外とあの竜族の女の子『サクラ グランド』以外はその場に残り、少し雑談をしていた。
牛の獣人、ラングさんは気のいい人で、話がとてもしやすかった。
冒険者になった理由は……単純に、力を試したかったとの事だ。
この世界初の迷宮に挑むべく『ネルカートの』冒険者ギルドにやってきたらしい。
黒魔法使いの女の子、グエルさんは、黒魔法使いと言うのは力も弱く、白魔法使いのように、例えば教会なんかで活躍ができない、となると冒険者が最も向いているんだとか。
彼女の師匠も、冒険者をしているらしい。
自分は……まぁ、仮面にローブと謎の多い見た目なだけに、かなりの興味を持たれたが……まあ、2人ともそういうのは察してくれるらしく。
2人の目が『隠しているのなら、見せてもらうことも無い……』と言った感じで、助かった。
さて、今日は適当に森に入って野宿としますか。
「……結局森に戻ってくるんだな……」
「だね、やっぱりお金もかからないし楽だよ」
アルトリートさんから、少しお金を頂いたが……それでも、やはり無限ではない。
何か仕事を手にするまでは基本的には野宿のつもりだ。
そうして次の日、日が昇り、それに合わせて朝一番にギルドの前にやってくる。
「ん!カルカトスか!遅かったなぁ!」
「……おはようございます、カルカトスさん」
「貴様は……あの時の人間か」
「あれ?俺が最後でしたか?」
1着かと思いきや、皆先に来ていたらしい。
ギルドのドアが開き、赤い帽子のお姉さんが『現在お休み』の看板を『現在 お仕事中』に変えようと顔を出すと、俺たちと目が合った。
「あら、皆様お早いですね、おはようございます」
各々挨拶をしていく、そして中に入って部屋の中に入り、椅子に腰かけるとお姉さんが話し始める。
「それでは、皆さん揃っているようですので、結果の方を報告致します
……皆さん、全員合格です、おめでとうございます」
パチパチと拍手をしながらそう伝えてくれる。
「しゃぁ!やったぜ!」
「……ほっ……よかった」
「はっ……当然だな」
「……よしっ……!」
「よかったな!カル!」
「こちらが、皆様のギルドカードです
このカードには、あなたがたの魔力を注ぎ込むことでステータスを見れたり、仕事の実績、犯罪を犯した回数などが表示されます
他には入国が楽になったり、宿を借りる時に少しの割引が、こちらはランクによって割引率等が変動致します」
「……ふむふむ」
「そして、冒険者ランクについてですが
下から順番に『ブロンズ』『シルバー』『ゴールド』『プラチナ』『ミスリル』の5段階となっています
カルカトスさんとヴェーラさんはブロンズ級の最初期、ラングさんはブロンズ級の中期、そして、サクラさんはブロンズ級の最終期、サクラさんのみ、今すぐにでもシルバーランクへの試験を受けることが可能です
こんなことが起きたのは……実に5年ぶりです
おめでとうございます、他の3名方も上をどんどんめざして頑張ってください」
「……はい!」
「あ、あとちなみに、最近に現れた迷宮は、危険度が『シルバーランク以上推奨』とのことですので、頭に入れて置いてください
何でも100層もあるみたいですからね……」
「……うぇ?」
最後の意外な一言に素っ頓狂な声をあげてしまった




