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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも優しくてカッコイイ人だろう
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生誕祭 後日談

「……っ!……?ここは?」


「あ、おはようございます、おきましたね」


「ん?あぁ……シアさん?」


「はい、シアですよ、カルカトスさん……どうですか?身体の調子は」


 手をグーパーさせ、体の動きを確かめる。


「うん、大したことはなっ!?」


 ベットからおり、立ち上がろうとすると、膝から崩れ落ち、地面にぶっ倒れる。


「あ!?だ、大丈夫!?カルカトスさん!!?」


「いたた……足が全然動かなかった……何日ぐらい寝てたの?」


「3日ですね」


「みっ!?……せ、生誕祭は!?」


「終わりました……あなたは不戦敗で名前が消えました……」


「そ、そんな……」


 地面に着いた膝が少し上がったが、次は両手を着いて項垂れる羽目になった。


「ど、どんまいです……来年もありますから、ね?」


「うぅ……!せっかくミランにも勝てたのにぃ!!ぐやじい!!」


「そ、そんなに悔しかったんですか」


「そりゃあ!もちろん!」


「そ、そうでしたか……あ、そういえばお手紙もらってました」


「……手紙……?」


 手紙を受け取り、中身を見る。


『よ!リーダー!俺はジャンパー!約束覚えてるよな!?

でもさ、こっちは看守脅してたのを大々的に行ったのと、屋敷に入って魔剣盗んだせいで刑期が伸びました。

また、檻の外に出られたらおいおい連絡します。

ps.私達も元気にしています ディン』


「……あー、そういえばこんな話もしてたな……忘れてた」


「えぇ……ま、そういう事よ、覚えていてね」


「はーい……ところで、剣は?」


「そっちよ……ベット挟んで向こう側にあるから、ほら立って」


「……ありがとうございます……あった……!」


 ベットに座り直し、剣を手に取る。


「……それが、あなたの勝ち取った剣ね?」


「間違いない……ミランの剣だ……!」


 剣を引き抜き、刀身を確かめながらそう言った


「そういえば、輝石は?」


「それが見つかってないのよね……どこに行ったのかしら?」


 その言葉を聞いた瞬間、何故か直感的に分かった。


「あ、この剣の中にあるかも?」


「?そんなこと……あぁ、輝石を加工した武具もあるにはあるからそれかな……」


「かも、しれないね」


 この剣からは間違いなくミランの気配を感じる。

そして、ウンディーネもまた、身体の中で今も生き続けているとわかる。


「……髪、黒くなりましたね」


「……そうですね、でも、まだ何か足りない……」


「そうみたいですね、あなた、本当は多分……黒髪赤目だったんじゃないですか?」


「!……はい、多分そうです」


 嘘だ。兄弟を殺した時、俺の髪は間違いなく黒かった。


「……シアさんは、嫌いですか?」


「!いえいえ、そういう訳じゃないんですよ……ただ……髪が黒くなったら、生誕祭の時はどうして白かったんだ、そういう人が沢山出てくると思うんです」


「……あ……本当だ」


「どうするんです?」


「体の形変える魔法で色を変えたってことにしようかな」


「なるほど……確かに、それなら私もちょっと納得するかもです」


「そっか、ならよかった

ところで、優勝者は誰になったんですか?」


「どこの国の人か分からないけど、黒い髪に黒い目をした男の人と、白い髪に紫色の目の女の人の2人のパーティーが優勝してたよ

名前は……『タツヤ キリシマ』と『アリーエ シュプライ』ですって」


 知らない名前だ。


「優勝賞品何貰ったんですか?」


「お酒だって、高いお酒たくさん貰ってました」


「さ、酒……?物好きだなぁ」


「そうですね、その後のインタビューでも見つけられずに現在消息不明、おかしな人です」


「だねー」


「あとは……そうそう、異世界から、異世界人を呼ぶって言う話もしてましたね」


「!?本当ですか!?」


「えぇ、そんな話もありましたよ

約一万年前に使われていた召喚魔法陣が、生贄を必要としていたようですが、今度は生け贄無しでできそうらしく、それのお試し運用と……『迷宮探索』の為に呼ぶらしいです」


「!!そ、それは……困ったライバルが生まれそうですね」


「えぇ、頑張ってくださいね」


「はい、色々ありがとうございます、シアさん」


「どういたしまして……それではっ、私は教会に戻りますので、今日暇だったら立ち寄ってください」


「うん、そうするよ」

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