〈40層の守護者〉 ミラン ダリン
「お次は!皆様注目必須!
今大会にたった1人で立ち向かった一匹狼2人!
『ワイパー ド ハウル』選手と『カルカトス ナイトメア』選手の2人!
幾度と、一対多数を乗り越えていた彼ら!
奇しくも同じ見た目、同じ単独出場!この共通点から!彼ら2人が知り合いであるとの噂もあるほどです!
精霊魔法と肉体の変化を使えるカルカトス選手に対して、膨大な威力を誇る魔法と、鮮やかな剣技を持つワイパー選手
どちらが勝つのか楽しみだ!」
もう試合数も少なくなってきたからだろう、司会に熱がいつも以上入っている。
俺よりも先に、ハウルが会場へあがる。
そして、俺もまた、会場へいく。
「……やぁ、カル」
「よっ、ハウル」
友達同士で、待ち合わせ場所に着いた様にお互い挨拶を交わす。
その不思議な光景に、ざわめきが走る。
「やっぱりしっかりと上がってきてくれたね……私は嬉しいよ」
「ははっ、そっちこそ、ちゃんと1人で上がってこれたみたいで嬉しいな」
「ははっ、いい、実にいいね!この素晴らしい高さから、私たち2人は存在できている。
この世界最高峰……ってのは言い過ぎだけど、だけど私たちの下にいる強者をおしのけ、ここにいるんだ……楽しもうね、カル」
「あぁ、俺からも、特に言うことは無いさ……ハウル、君との戦いに全力で挑み……全力で勝つ」
その返答に胸を打たれたように
「……素晴らしい……!」
と声を漏らす。
「ルールはデスマッチ!賭けるものは……そうだな……お互い、剣を賭けないかな?」
「剣?……いいね、それ、俺は賛成だ」
急ごしらえとはいえ、十二分に名剣の1本だ……高かったし、俺の目で見て買ったから間違いない。
彼女の剣は……?なんだあの剣。
「!ふふっ、気づいた様だね、そう!私のこの剣は!迷宮に潜ってまで取ってきた私の特注品さ!」
青空のように澄み切った剣を、銀色の刃が包み込む。
なぜだか、ミランを思い出させた。
「私たちの戦いは……!きっと!最高のものになるよ!」
「それは俺も同意する!」
早く、試合開始の合図をくれ!お互い、もう今にでも動きたいんだ!
「それでは、試合開し……!?」
その瞬間、剣と剣がぶつかりあった




