第6試合 グリム【カルカトス】
「ねぇ、王子様」
「ん?どうした?ハウル」
ネルカートの王子様、王女様方が観客席に昨日からいるが、大した問題じゃない。
……本当だぞ?
「……次の試合……ってさ」
「あぁ、グリム達のことか……なんだ?知ってるんだ、意外だね」
「ははっ、戦い方が面白くってね……あとさ、カルと1度パーティー組んでたじゃん?だから、どんなのかなーって?」
「あぁ、そういう事ね」
そう、次の相手は……グリム達だ。
メンバーは変わらず『グリム』『スノウ』『フウボク』の3人だ。
「……楽しみなの?」
「……へ?」
確かに仮面の奥でニヤニヤしているが……
「なんでわかったの!?」
「いや……笑顔の、楽しそうな色が見えたからさ」
「……そっか、なら、隠さないよ、とっても楽しみさ」
「そっか、行ってらっしゃい……絶対に諦めちゃいけないよ?絶対に……!」
「……?うん、もちろん諦める気なんてないさ」
「……頑張れ」
「さぁ!さぁさぁさぁ!!!お次は!またもや奇しくも同じネルカートの同じギルド出身!
彼は同じギルドのものと当たる運命か!?
だが!相手は同じく大躍進!デイドリームパーティーだ!
というかカルカトス選手!大剣はどうなさいました?」
「………あー、色々あってね」
昨日のことは……悪い夢とでもしよう。
「……あーあー……先輩……負けませんよ」
マイクテストの後、負けないと宣言した。
「私も、負けるつもりは無いね」
「……なら、戦いましょうか」
「ルールは?」
「デスマッチ、一度でも気絶すればそこで終わり……死んでもいい」
「……そ、それはさすがにやめよう、気絶したらそこで終わり……いいね?」
マスターのことも考えると私か、3人が死ぬのは是非とも避けたいところだ。
「……はい、それでいいです……やりましょう」
「……やるぞ、グリム」
「……がんばろ、グリム」
「うん、頑張ろう」
「賭け、する?」
「……いえ、今はいいかな……」
「だね、なら、始めよう」
「それではっ!試合開始っ!」
あぁ、始まる……始まった。
限界を超えて……戦い、そして勝利を収めよう。
だって、この戦いに勝てば、明日はミラン ダリンとたたかえるのだから。




