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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも優しくてカッコイイ人だろう
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昔話の前に

「……とは言っても、そうですね、あなた達ふたりに質問です」


「お?なになに〜?」


「なーにー!?」


「……カルカトス、彼をどう思いますか?」


「へっ!?」


「うーん……む?」


 隣のラジアンちゃんから初々しい色が見えるなぁ〜!?……知らないフリ知らないフリ……ふふっ


「ラジアンちゃん……そういう質問じゃないと思うよ」


「ちゃん……?え!?あ、そうなのか……ははっ……」


 恥ずかしそうに顔を背けても見えてるよ〜?


「そうだなぁ……才能に溢れた人間に見えるなぁ、私の教えた剣も飲み込みは早い方だと思うよ、それに強い」


「私も……そーだなー、強い奴だと思うな、なかなか諦めないし、それに……私にいっぱい食わせた奴でもある……くくっ」


 思い出したかのように笑った。


「……なるほどなるほど……それなら、私が今から話す内容はもしかしたら予想外だったりするかも知れませんね」


「……へぇー?」


「ほっほーう?」


「まぁ、いいです……それでは次は私たちについて、ですね

まず、彼も私もベースは同じ種、人間です」


「……うん」


「そこから、ありとあらゆる生物を混ぜこみ、産まれたのが私たちキメラというわけです……マスターいわく、かなり珍しい製造法だそうで」


「まぁ、そうでしょうね」


「おっ?ラジアンちゃんキメラのこと詳しいの?」


「うーん……冷たいこと言うなら、単純にコスパの問題かな?人1人の命っていうのは、技術の進化の犠牲としてはほんの小さな数字だけど、そんなものを利用するなんて、なかなかの自信家か、本物か……大抵のキメラはいでんし?とかを掛け合わせて、1つの生き物を作るとか」


「はい、だいたいそんな感じです

私たちは子供の頃から小さな手術を積み重ねていました……私たちは成功して、失敗した子達もいました」


「……死んじゃったの?」


 そう、私の素朴な疑問を投げかける。

すぐに軽率だと気づくが、時すでに遅し……彼女の顔に影が落ちていた。


「……まぁ、最終的には……ですけどね」


 ……過程は聞かないでおこう。


「……そっか」


「まぁ、そこも含めて話しますよ……あなた達にはそれを知る権利があります……私が引き込んだだけですけどね」


「……なるほど」


「私のパーティーのスノウは竜族の女の子がベース、私とカルカトス、他にも人をベースにしたキメラもいるよ」


「……へぇ……そうなんだ」


 彼女はどこか諦めている様にも見える。


「ねぇ、ならあなたも、カルカトスみたいに何か制約がかかってるの?」


「えぇ、正確にはかかっていた、ですね」


「外せたの?」


「外し方を知っているだけです……それ以外はなにも」


「……つまり、外したあとはまだ知らない?」


「えぇ、私も、カルカトスも、他のみんなも、その先を知らない……マスターも、ですね」


 未知の領域ということか……それだけに、期待は高まる。


 「グリムちゃんのポテンシャルもまた、カルカトスと同じなんだ……」


「……まぁ、そういう『設定』なんですけどね……彼が特殊すぎて……困ったことに、多分私だけじゃ、彼に追いつけないんですよ」


「そっか……」


「まぁ、前置きが長くなってしまいましたね……それでは、お話します」

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